マイナンバー法成立
国民に社会保障の共通番号 

2013年0603 福祉新聞編集部
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国会議事堂

 全国民に社会保障と税の共通番号(マイナンバー)を割り当てる関連法は5月24日、参議院本会議で自民、公明、民主などの賛成多数で可決、成立した。共通番号は2015年10月に各個人に通知され、16年1月にカードの交付が始まる。社会保障サービスを利用する際の行政事務は効率化される見通し。一方、所得を正確に把握した上での低所得者対策がどの程度進むかは不透明だ。

 

 共通番号の導入により、17年1月からはインターネット上で税や年金保険料などの納付情報を確認できる。また、社会保障サービスを利用する際の手続きも簡素化される。

 

 具体的には、①児童扶養手当②障害者総合支援法による自立支援給付の支給③生活保護の決定④介護保険給付の支給や保険料徴収−といった事務が共通番号の利用範囲とされている。

 

 災害時に自力で逃げることが難しい要介護者など「要援護者名簿」を自治体が作成する場合も、共通番号を記載できる。

 

 希望者には氏名や顔写真入りの「個人番号カード」を市町村窓口で交付。年金の受給申請などの際にカードを提示すれば、書類添付は不要だ。

 

 18年秋には、今回は先送りとなった「民間事業者や医療分野における番号利用」も検討する。例えば、共通番号で電子カルテを管理することで検査や投薬の重複を減らせるとする意見がある。

 

 一方、個人情報が流出する懸念もあることから、新法は第三者機関を新設し、国や自治体などの管理体制を監視する。情報を漏らした場合には最高で「懲役4年以下か200万円以下の罰金」を科す。

 

 民主党政権時代、政府は所得の正確な把握を前提とした「給付付き税額控除」や「医療・介護・保育・障害に関する自己負担の合計額に上限を設定する総合合算制度」を検討する意向だった。

 

 これらは消費税率が引き上げられた場合の低所得者対策として有効だとされていたが、現在、導入の見通しは立っていない。

 

 共通番号の導入費用は2000億~3000億円に上る見込みだが、それに見合うだけのメリットがどれだけ得られるかは専門家の間でも意見が分かれている。

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