厚労省31兆円を計上 15年度予算概算要求、過去最大

2014年0901 福祉新聞編集部
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 厚生労働省は8月26日、2015年度予算概算要求を明らかにした。高齢化に伴う社会保障費の自然増8155億円を含む一般会計総額は、14年度当初比3%増の31兆6688億円で過去最大になった。

 

人材確保策に353億円

 

 介護など人材不足分野の対策には14年度比147億円増の353億円を計上した。都道府県単位の業界団体を通じ、個々の事業所に労働条件や教育訓練などの改善を働きかける。魅力ある職場にすることで人材確保を図る。潜在有資格者の掘り起こしや、離職者を対象とした公共職業訓練の拡充も図る。8月5日には、田村憲久・厚労大臣が介護、障害、保育の関係団体の代表を大臣室に招き、人材確保策への協力を直接要請した。

 

 ただ、15年4月の介護報酬改定や今年6月に成立した医療・介護総合推進法に基づく新しい基金(904億円)によって、人材確保にどれだけ財源を充てられるかは不透明だ。

 

 15年10月に消費税率を10%に引き上げるかどうかは決まっていないため、人材確保策に限らず、例年以上に年末までの予算編成が難航する見通しだ。

 

 安倍内閣のキーワードとされる地方創生や成長戦略に重点配分する特別枠には、2443億円を計上した。

 

 そのうち注目されるのは人口減少への対応だ。年齢や障害の有無にかかわらず日中通える居場所を整備する(18億円)。施設整備費を補助し、運営費は市町村が負担する。インフォーマルな集いの場というイメージだ。

 

 東日本大震災の被災地ですでに実績のある「複合型共生施設」も全国展開する(55億円)。子どもから高齢者まで通える点、施設整備費を補助する点は「居場所」と同じだが、運営費は介護保険の通所介護など既存の制度から充てる。

 

 人口が減った地域で効率的に施設運営する発想がベースにあり、それぞれ100カ所程度の整備を想定する。また、見守りなど地域の助け合い活動の費用を補助する「共助の基盤づくり事業」には40億円を計上した。

 

 15年度から始まる生活困窮者自立支援制度の経費は金額を示さない事項要求とした。一方、40代、50代の生活保護受給者の職場開拓などを担う「就労支援体制整備推進員」(28億円)は、福祉事務所のある全自治体に配置する。

 

 貧困の連鎖を断ち切るため、子どものいる生活保護世帯に対応する「子ども健全育成支援員」(8億円)も都市部の福祉事務所を中心に配置する。後発薬の使用促進など医療扶助の適正化対策には14年度比約9倍の39億円を計上した。

 

 

 

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