福祉施設で社会貢献
法務省が具体案を検討

2013年0722 福祉新聞編集部
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法務省は12日、社会貢献活動の在り方を考える検討会を立ち上げた。2015年から、保護観察対象者に福祉施設での介護など社会貢献活動を義務付けることもできるようになるため、活動の在り方など具体策を考える。検討会は14年1月に報告書を取りまとめる予定だ。

 

検討会は、今国会で改正更生保護法が成立したのを受けて設置。社会貢献活動を行う対象者の選定方法や、処遇効果の高い活動、関係機関との連携などを検討する。

 

 会議は「率直な意見交換の場にするため」(法務省保護局観察課)、非公開で行われた。委員は、全国社会福祉協議会や済生会の職員、研究者、保護司などで構成され、座長には藤本哲也・中央大名誉教授が選ばれた。

 

 改正法は、保護観察の対象者ごとに義務付ける「特別遵守事項」の規定に、社会貢献活動を加えたのがポイントだ。一定期間にわたり、地域社会に役立つ活動を複数回行うことで社会性を高め、再犯防止につなげることが狙い。欧米のように社会奉仕活動を刑罰の一つとして位置付けるわけではないという。

 

 具体的には特別養護老人ホームや障害者施設など福祉施設で介護補助や清掃を行う。河川や道路など公共の場所での清掃活動や落書き消しといった環境美化活動、屋内での軽作業も含まれるという。

 

 既に法務省は12年度、延べ3145人の保護観察者を対象にモデル事業を全都道府県で実施。福祉施設(370カ所)や公共の場所(261カ所)などで活動した結果、8割が「自分もやればできると思った」と答え、5割が「自分が気付いていなかった面を発見した」と回答したという。

 

 法務省保護局観察課は「福祉施設に社会貢献活動の場を強制することはできず、地道に協力をお願いしていきたい。また、地域の理解を得ることも必要だ」と話す。

 

 検討会は今後3回ほど開かれ、1月に報告書をまとめる。これをもとに法務省が今後の方針を決定する。社会貢献活動の義務化は遅くとも15年6月までに開始される。

 

 

◆保護観察=刑務所や少年院を仮出所・退院した人などが社会で更生するよう、国の責任で保護観察官や保護司などが指導する仕組み。対象者には飲酒や遊興、勤労・通学などに関する特別遵守事項が個別に規定される。違反した場合、仮釈放や執行猶予の取り消しにつながる場合もある。12年末時点の対象者は全国に3万8349人。

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