給与費は維持・増加の傾向 介護事業経営実態調査の結果

2014年1013 福祉新聞編集部
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 厚生労働省は3日、2015年度介護報酬改定に向けて、今年3月の介護保険事業の収支状況などを調べた「介護事業経営実態調査」の結果を明らかにした。3年前に比べ、定員29人以下の地域密着型特別養護老人ホームの収支が大きく改善した。全般的に職員の給与費は維持・増加する傾向にあり、厚労省は事業運営が安定していると見る。

 

 調査は12年度介護報酬改定の影響を調べ、15年度改定の参考にするもの。全国の介護施設・事業所1万6145カ所が回答した。厚労省は同日の社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会で報告した。

 

 収支差率が高いサービスは「余裕がある」として報酬を下げられることがある。調査結果によると、収支差率が10%を超えたのは特定施設入居者生活介護(12.2%)、認知症グループホーム(11.2%)、通所介護(10.6%)。

 

 地域密着型特養ホームの収支差率は8.0%で、3年前の11年調査(1.9%)に比べて大きく上昇した。収入に占める給与費(賞与や通勤手当などを含む)の割合は微減したが、職員1人当たり給与費は上がった。

 

 特養ホームは定員規模が大きいほど収支率が高い傾向にあり、06年度創設の地域密着型特養ホームは、かねて非効率なサービスの典型とされていた。

 

 他のサービスでも給与費はおおむね上昇。老人保健施設は収入に占める割合が上がり、収支差率が下がった。定員30人以上の特養ホームも収支差率が下がった。

 

 給与費が上がったことを肯定的に見ることもできる半面、委員からは「少ない人数でより多くの利用者を介護し、疲弊している可能性がある」との見方も示された。

 

 12年度に創設された「定期巡回随時対応型訪問介護看護」と「複合型サービス」は今回の調査で初めて経営実態が分かった。
 この2サービスは収支差率が低いため、委員からは「マイナスイメージが先行しないか懸念される」といった意見が上がった。

 

どうなる処遇改善

 

 12年度改定では全額国費の介護職員処遇改善交付金をなくす代わりに、処遇改善加算を創設した。交付金による賃上げ効果を維持することが狙いだ。

 

 15年度改定は消費税財源を活用し、介護職員の賃金をさらに引き上げることが社会保障と税の一体改革のシナリオに入っている。

 

 シナリオ通りならば、介護職員1人当たり月額1万円程度の賃上げが目安になる。処遇改善加算は12年度から3年間の限定措置とされたが、15年度以降も残すよう求める意見が介護給付費分科会で上がっている。

 

 一方、社会福祉法人をめぐっては、いわゆる内部留保が過大だとして報酬の引き下げを求める意見がある。このため、賃上げのためのプラス改定要因を打ち消す可能性もある。

 

 

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