報酬だけに頼らない 太陽光発電に取り組む社福法人

2014年1020 福祉新聞編集部
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7人の障害者が草刈りなどの仕事をしている
7人の障害者が草刈りなどの仕事をしている

 宮崎県内に太陽光発電に取り組む社会福祉法人がある。「大樹会SocialWork日南」(片山紀子理事長)は県立高校があった土地を買い上げ、敷地に太陽光パネルを設営。障害のある人たちがメンテナンスなどを行っている。

 

高校跡地を購入

 日南市の南郷駅から徒歩15分。16ヘクタールにも上る旧県立日南農林高等学校の敷地内には太陽光パネルがずらっと並ぶ。その数1万6000枚。

 

 そのパネルの間で、知的障害や精神障害のある訓練生が黙々と雑草を刈り取っていた。現在、同法人には、就労継続支援A型として、20−40代の利用者が7人働いているという。ハローワークでの求人に応募した人たちで、工賃は最低賃金をクリアしている。

 

 もともと同校は、統廃合のために2011年3月に廃校。当初は、企業誘致を模索したが、なかなか買い手が見つからなかったという。そうしたところ、宮崎県出身で、滋賀県内でも社会福祉法人を運営する嶋田鐵雄・同法人会長が手を挙げ、同校跡地を2億1500万円で購入したという。

 

 同校跡地は、総合福祉施設「南風の丘」として整備する構想だ。運動場や畑を活用する太陽光発電や農業を行う障害福祉サービス事業のほか、校舎を改築したサービス付き高齢者向け住宅(50戸)、デイサービスなどを計画している。

 

 第1発電所は14年3月、第2発電所は同6月から稼働を開始。サ高住は現在改築中で、来春にも竣工予定だ。

 

待遇もアップへ

  なぜ、社会福祉法人が太陽光発電なのか。

 

 嶋田会長は「社会福祉法人としての独立性を重視した結果」だと話す。介護報酬や障害報酬だけではなく、別の収益事業も行うことで、法人の財政基盤の安定につなげたいという。

 

 太陽光パネルの設置費用は第1と第2合わせると10億円に上る。15年間の返済計画で銀行から借り入れた。年間発電量は422万キロワット時で、今年度の売り上げは約2億円になる見通しだという。

 

 同法人は今後も新たに太陽光の発電所をつくりたい考え。嶋田会長は「安定した経営のため、電気の供給など社会が求めるニーズの中から収益を確保した上で、地域に還元することも社会福祉法人には求められているのではないか。そうして職員の待遇を上げれば、人材の質の向上にもつながる」と話している。

 

かつて運動場だった所にもパネルがある

かつて運動場だった所にもパネルがある

 

 

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