財務省、介護報酬6%以上のマイナス改定を提言
2014年10月20日 福祉新聞編集部
財務省は8日、2015年度の介護報酬改定について、6%以上のマイナス改定にする考えを財政制度等審議会財政制度分科会に示した。一方、介護職員の賃上げを図る現行の介護処遇改善加算は拡充する方針。社会福祉法人の内部留保が過大だとされる問題については「社会貢献に充てるのではなく、介護保険の地域支援事業など公費や保険料を充てて実施している事業に限定して活用すべき」とした。
介護報酬改定については、厚生労働省の社会保障審議会介護給付費分科会で審議中。厚労省は財務省と折衝して年内に全体の改定率を固め、年明けに同分科会に諮問する。財務省はこれまでも繰り返し介護給付費の抑制を要請してきた。
「マイナス6%」は、介護サービス全体の平均収支差率(8%程度)を一般の中小企業の平均値(2~3%)に合わせる発想だ。介護報酬を1%引き下げれば、介護保険の総費用(約10兆円)は約1000億円減る。
財務省は特別養護老人ホームの多床室の室料を保険給付から外し、入所者の自己負担とすることも求めた。
次の介護保険法改正に向けては、①軽度者に対する訪問介護の生活援助(掃除、調理など)を地域支援事業に移す②在宅サービスで価格競争を促す仕組みを作る③利用者負担の引き上げ−の検討も求めた。
老健協「断固反対」
これらを受け、全国老人保健施設協会は10日、緊急の記者会見を開き、「老人保健施設の収支差率は平均5.6%。税引後は3.4%しか残らない。理不尽なマイナス改定には断固反対だ」とした。
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