介護療養型医療施設に新類型 厚労省が提案

2014年1117 福祉新聞編集部
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 厚生労働省は6日、2015年度介護報酬改定で、介護療養型医療施設に療養機能を強化した類型を設ける考えを明らかにした。患者の状態像など五つの要件をすべて満たす場合、介護報酬を高くする。介護療養型医療施設は17年度末までに老人保健施設などに転換して廃止する方針。介護報酬に新類型を設けることと「廃止」は矛盾しないとの立場だ。委員から異論もあったが、厚労省は手厚い医療の必要な要介護者の受け皿を介護保険から外せないとみている。

 

 新類型の要件(表参照)を要約すれば「手厚い医療の必要な要介護者を受け入れていること」。こうした施設が必要だという点に争いは見られない。問題は、医療保険ではなく介護保険に新類型を設ける積極的な意味があるかという点だ。

 

 介護療養型医療施設は、医療の必要性が低い入院患者がいるとして、11年度末までに老健施設など相対的に医療体制の薄い施設に転換することが06年に決まった。これが「廃止の決定」と呼ばれてきた。

 

 しかし、実際には「患者は医療も介護も必要な人たち」(武久洋三・日本慢性期医療協会長)で、老健施設よりも医療保険適用の療養病床に転換する例が多いことが判明。医療保険を肥大化させたくない厚労省は、11年の法改正で廃止を6年延期した。

 

 こうした事情を背景に、このほど厚労省が提案した新類型の介護報酬は、現在の介護療養型医療施設よりは高くなるが、医療保険適用の療養病床よりは低くなる見込みだ。

 

 介護保険と呼びながらも医療色の濃い給付内容になっていく流れは顕著だ。一方、厚労省は新類型の要件の一つに「地域への貢献」を入れた。

 

 「貢献」の内容を尋ねる委員の質問には「この要件は理念規定だ。介護保険施設らしさを発揮してほしい」とし、内容は明確にしなかった。介護保険にとどまるための苦肉の策と言えそうだ。

 

 医療提供者側の委員からは新類型に賛同する意見が上がったが、健康保険組合連合会は明確に反対した。

 

 手厚い医療の必要な人をどう選別するのか、五つの要件を満たさない施設がどうなるのかなど不明な点もある。老健施設への転換を促すことも「在宅復帰を支える老健施設の役割が分かりづらくなる」(東憲太郎・全国老人保健施設協会長)と歓迎されていない。

 

ことば

 介護療養型医療施設=2006年当時は約12万床、13年4月時点では約7万1000床ある。医療保険適用の療養病床は約26万床を約15万床に減らす計画だったが、逆に約27万床(13年4月)に増えた。厚労省は両者の再編成により、12年度に医療と介護の給付費の合計を3000億円縮減できると推計していた。

 

 

 

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