全壊の障害者施設が移転 広島の豪雨・土砂災害

2014年1222 福祉新聞編集部
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全壊した八木園(提供=八木園)

 8月20日未明の豪雨・土砂災害で全壊した障害者施設「八木園」(広島市安佐南区)が11月4日、同市安佐北区に移転した。広島県職員の独身寮を改装。5年間無償で借りることになった。10~70代の知的障害のある人らが建築部品の組み立てなどを再開した。

 

 八木園は就労継続支援B型の事業所。8月20日時点の利用者は30人、職員は10人で全員無事だった。しかし、建物が全壊したため3週間は事業を休止。9月8日からは二つの他法人の建物を借りて利用者と職員が過ごしていた。

 

 「自宅待機をお願いしたが、保護者が仕事の都合などで留守にするため、家にいられない利用者もいた」。施設長の春木強さんは事業休止の3週間をこう振り返る。家にいられない利用者10人は職員が連れ添って動物園などへ臨時の“遠足”に出かけた。

 

 その間も全壊した施設の後始末、事業再開のための物件探しなどが同時に進行。職員の懸命な努力の結果、再開を待てずに他の事業所に移った利用者は1人にとどまった。

 

 現在の八木園は3階建てで個室が20室。短期入所やグループホームを始めるには条件がそろっている。八木園以外に事業を持たない「社会福祉法人やぎ」には新事業展開のチャンスとも言える。

 

 菅井直也理事長(広島文教女子大教授)は「移転に際してご近所にあいさつ回りしたらご高齢の人が多かった。新規事業として老人福祉も考えたい」と話している。

 

 8月20日の豪雨は広島市北部の安佐南区と安佐北区などの住宅地を襲った。死者は74人、負傷者は44人。同市内の福祉施設25カ所で床上浸水などの被害が出たが、全壊したのは八木園のみ。

 

八木園の利用者ら

八木園の利用者ら

 

 

 

 

 

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