障害者権利条約に期待 ベトナム、施策発展へ機運高まる

2015年0123 福祉新聞編集部
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ベトナムの福祉工房の様子
ベトナムの福祉工房の様子

  ベトナム・ハノイ市の郊外。延々と続く田園風景の途中に、観光バスが立ち寄りそうな大型の商業施設を見かけました。一見すると外国人観光客向けのショッピングセンターのようです。

 

 実際、中に入ると広い店内にはベトナムの刺しゅう、衣料品、漆絵画、陶磁器、彫刻、宝石などがずらりと並び、多くの観光客でにぎわっています。訪れる大半はアメリカやオーストラリアといった外国からの観光客とのこと。

 

 ここが1996年設立の民間組織「Chan-Thien-My Company」が7年前に始めた、障害のある人の職業訓練施設だということは、外見からは気づきにくい。

 

 ここでは約600人のスタッフのうち、半数が若年層を中心とした身体に障害のある人たち。店内の工房では機織り、宝石加工などそれぞれの適性に合わせた仕事を行い、できあがった商品の販売によって社会参加と自立を目指しています。

 

 11月下旬、ハノイ市で開催された「アジア・太平洋障害フォーラム(APDF)2014」。

 

 折しもその開催期間中、障害者権利条約の批准を正式に表明したベトナムでは、ここ数年の間、この日の批准に向けて基本法を始めとした法令整備や障害福祉サービスの充実を図り、そのうち雇用施策の受け皿として、前述のような多くの民間施設がその役割を担っています。

 

 現在は国内で約270の訓練機関により、各地で約1300の訓練・支援プログラムが用意され、国家レベルによる雇用や就労の一層の充実が期待されています。

 

 APDFに参加した私は、障害者権利条約の批准表明という歓喜の瞬間を体験した一方で、「ここからが本当のスタート」と気を引き締めるベトナムの人たちの声の多さに、14年に批准した日本の今後に対する思いの重なりを感じました。

 

 課題は山積みですが、APDFでもより一層の高まりをみせた「当事者主体」の機運は、この先の改善と発展をさらに押し上げていくものと思います。

 

 (写真、文とも社会福祉法人東京コロニー東京都葛飾福祉工場、IT在宅就労推進係、吉田岳史さん)

 

 

 

 

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