高松市の高齢者施設が学童保育を運営 背景に共働き急増も

2015年0213 福祉新聞編集部
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「えんざ」の利用者と洗濯物を干す「きっずデイ」の子ども

 香川県高松市の社会福祉法人香東園が運営する小規模多機能型居宅介護「えんざ」には、子どもたちの元気な声があふれている。同所で行っている「きっずデイ」(放課後児童クラブ)に、近くにある円座小学校の児童が通ってくるからだ。

 

 きっずデイ開所のきっかけは、小学校の放課後児童クラブがいっぱいになり困っているという話を聞いたこと。

 

 円座地区は高松市のベッドタウンとして急速に発展し、小学生も急増している。共働き家庭が多く、児童クラブは不可欠だが、学校だけでは対応できなくなっていた。

 

 「地域のため子どものため役立ちたい」。そう考えた同法人は学校や行政などと1年半の話し合いを重ね、2013年4月にきっずデイを開所。

 

 開所時間は、月~土曜日の授業終了から午後6時までが基本だが、親の仕事の都合などで8時まで延長することもある。現在、1~4年生の9人が登録しており、毎日5人程度が利用している。

 

 きっずデイに来た子どもたちは、6畳の和室でボランティアに勉強を教わった後、食堂で高齢者と一緒にテレビを見たり、おやつを食べたりして過ごす。高齢者の肩たたきをしたり、車いすを押したりするのは当たり前。洗濯物を干したり、掃除をしたり、手伝いもする。

 

 こうした交流を通じ、子どもたちの心には自然と思いやりの気持ちが育つという。

 

 昨年の「老人の日」に子どもたちが自発的に手作りのメッセージカードをプレゼントしたのはその証しだ。一方、子どもの面倒を見ることで高齢者は張り合いが出ているという。

 

 「通う」「泊まる」「訪問介護を受ける」というサービスを切れ目なく提供することで地域生活を支援する小規模多機能型居宅介護で始まったきっずデイ。そこで自然発生した「交わる」というサービスは、高齢者にとっても、子どもたちにとっても、地域にとってもかけがえのない宝物になっているようだ。

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