加算頼みの地域包括ケア 介護報酬マイナス改定で大打撃も

2015年0216 福祉新聞編集部
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介護給付費分科会の模様
介護給付費分科会の模様

 厚生労働省の社会保障審議会介護給付費分科会(分科会長=田中滋・慶応義塾大名誉教授)は6日、2015年度介護報酬改定案を了承した。地域包括ケアシステムの構築を目指し、在宅中重度者や認知症ケアを重視するとしたが、各サービスの基本報酬は一部を除き減額。事業収入は介護職員処遇改善加算をはじめ加算が頼りとなる。看護やリハビリテーションなど医療色の濃い給付内容になり、小規模な施設・事業所への打撃は大きい。

 

 1月11日の厚生労働省、財務省の大臣折衝で決まった改定率はマイナス2・27%(年間2270億円減に相当)。それを踏まえた、4月からのサービスごとの報酬の決定が待たれていた。

 

 改定の基本視点は①中重度者や認知症の人への対応を強化する②介護人材の確保③サービスの提供体制の効率化−の3点。給付は要介護度の重い人にシフトし、医療色を濃くする。

 

 「病院からの退院の受け皿としての介護」という性格が鮮明になり、要介護度の低い人の地域生活を支える視点は後退した。

 

 

特養は看取り拡充

 

 特養ホームの基本報酬(基本サービス費)は約6%減り、看取り介護加算など既存の加算は一部で上がった。改定後の収入は各種加算に依存せざるを得なくなる。

 

 これまでも案として浮上しては消えてきた多床室の室料(1日470円)の自己負担化も、今年8月から一定以上の所得のある入所者に適用する。

 

 施設職員が地域貢献活動をできるようにするため専従要件を緩和するが、総じて福祉施設らしさは薄くなる。社会福祉法人が独占的に担う理由が一段と乏しくなり、法人課税論などが再燃する可能性もある。

 

「在宅重視」と矛盾

 通所介護の基本報酬は小規模事業所が約10%減、通常規模の事業所が約5%減。認知症や中重度の人を一定程度受け入れた場合の加算も設けたが、看護職員などを確保しないと取得できない。

 

 基本報酬の減額幅は訪問介護が約4%、認知症グループホームが約6%。減収分を加算で穴埋めする構造は通所介護と同じで、「在宅重視」の掛け声とは程遠い改定となった。

 

 加算取得のための人材の争奪戦が予想されるが、そもそも人材がいない過疎などの地域にとっては残酷だ。

 

 

➡次ページ 処遇改善にも格差

 

 

 

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