司法が福祉に急接近 障害者の再犯防止で変わる検察の意識
2015年03月13日 福祉新聞編集部
司法関係者が障害のある被疑者・被告人の社会復帰支援に関連し、福祉分野に急接近している。東京社会福祉士会が2月28日に都内で開いた公開講座では、村木厚子・厚生労働事務次官が共生社会にかける思いを語ったほか、村木次官の基金から助成を受けて活動する弁護士が実践を報告。3月1日に日本社会福祉士会が都内で開いたシンポジウムでは、検察官が社会福祉士に頼っている現状を伝える場面もあった。
「司法と福祉の間には壁がある。それはぶつかって初めて分かる。両者の接点を見いだすことが大切で、ぶつかることを避けてはいけない」——。
障害により福祉的な支援が必要と思われる被疑者・被告人の弁護士からの依頼で助言などにあたっている浦﨑寛泰弁護士(東京)は28日、約250人の参加者にこう語った。
浦﨑氏は任意団体「東京エリア・トラブルシューター・ネットワーク」の代表。2013年5月に立ち上げ、初年度9件の依頼があったという。
浦﨑氏は「弁護士は裁判につながる重いケースに、福祉側はそれよりも手前のケースに関心がある。活動してみて両者の関心にズレがあることが分かった」と話した。
「これまで検察が能動的に再犯防止を考えることはなかったが、この2~3年でガラッと変わった」——。
3月1日、前澤康彦・横浜地方検察庁総務部長は社会福祉士や弁護士ら約200人を前にこう話した。
福祉事務所に同地検のパンフレットを配るなど福祉とのつながりを求めていることも紹介。「検察は怖くないと思ってほしい」と笑顔で呼びかけた。
同地検は14年7月に社会復帰支援準備室を設置。釈放後に支えが必要と思われるケースを同準備室が集約し、神奈川県社会福祉士会に助言を求めているという。
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