養護老人ホーム入所者の約7割が精神障害 負担増で職員は基準の2倍

2015年0603 山口保雄・社会福祉法人愛友園理事長
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社会福祉法人愛友園理事長養護老人ホーム愛友園施設長(茨城県水戸市)山口保雄氏
社会福祉法人愛友園理事長養護老人ホーム愛友園施設長(茨城県水戸市)山口保雄氏

 当施設利用者は、精神障がいの方が現在65%、中でも統合失調症の方の比率が高くなっている。

 

 「行くところがない、本当に困って愛友園に来たのだから、まず受け入れよう!」

 

 前園長の遺志を引き継ぎ、これが現在も施設の「姿勢」であり、評価もされていると自負している。

 

 この精神障がい者の受け入れを「先駆的積極的取り組み」と共鳴してくださった精神科病院のM医師が、月に1回ほど自分の公休日に看護師と一緒に施設に来て診察をしてくれている。利用者家族が同席することもある。

 

 生活の場で精神科医師と医療ソーシャルワーカーが施設の看護師、支援員、生活相談員と情報の共有、協働が出来ることは利用者共々に「安心」である。

 

 精神障がい者特有の「妄想」「幻聴、幻覚、幻視」「病識の欠如」「介護保険の外部サービスを受けにくい」「夜間帯の予測不能な行動」などの事例に対し、職員は毎日気を配り、真剣に、工夫し、協力を欠かさず、各職種が協働して対応している。このマンパワーが必要で大変大事だと痛感している。

 

陶器作りに励む利用者

陶器作りに励む利用者

 

 社会生活に触れる機会や行事も多く実施している。街へのショッピング、食材の買い出しに同行し那珂湊の漁港市場や食品工場の見学、県より偕楽園公園サポーターの認定を受けているので腕章を付けての巡視活動、等々。また、伝統の陶器作りにも励んでいる。

 

 国は養護老人ホームの要介護の面に視点を置いているが、平成26年度に改正された「精神保健福祉法」では地域移行の促進を掲げている。養護老人ホームは「高齢障害者」の生活の場として、「地域の受け皿」として、精神科病院の期待に対応出来るものと考える。

 

 病院、市町村の担当者と実績を重ねている当施設が考える課題を提起したい。

 

 1.難度が高い利用者のため精神科病院との協働を制度化する

 

 2.自己契約出来ない人たちに三者(市町村、施設、利用者)が責任と権限を果たし守るべきである

 

 3.「障害者加算」を年度当初(4月1日現在の対象者)のみでなく、年度途中の新規入所者、変化者を、都度認定し支給すべきである

 

 また「精神保健福祉士」等の有資格者の配置施設には加算を付けることを望む。

 

 現在、利用者の難度が増大し職員を基準の約2倍弱に配置せざるを得ない程に負担が増大している。

 

 「措置制度は古くない!」、「措置制度」は継続でよい。ただし「措置費用」の支給内容は問題が放置され、現在の措置委託先(施設)の事情を理解していない、「知って、知らぬ振り」状態といえる。

 

(山口保雄・社会福祉法人愛友園理事長 養護老人ホーム愛友園施設長)

 

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