保育士国家試験 実技を実習や講習に代替へ

2015年0615 福祉新聞編集部
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厚生労働省
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 厚生労働省は5日、第1回保育士養成課程等検討会(座長=汐見稔幸・白梅学園大学長)を開催した。会合で厚労省は、保育士の国家試験で行われている実技試験を実習や講習に代えることを提案。委員からは現場の負担が重くなることへの懸念も出た。

 

 現行では保育士の資格は養成施設を卒業すれば国家試験を受けずに取得可能だ。ただ、大学2年生以上で62単位以上修得した人や、専門学校卒業者などであれば、国家試験に合格すれば取ることができる。

 

 筆記試験は8科目で、全科目6割以上得点すれば、実技試験に進める。実技試験は音楽、造形、言語から2科目を選択して受ける。

 

 会合で厚労省は、受験者に多様な選択肢を与えることを理由に、実技試験を講習または実習に代えることを提案。参考として挙げたのが介護福祉士の国家試験。筆記試験の合格者には実技試験があるものの、講習や研修を受講すれば免除される仕組みだ。

 

 保育士の場合、講習は養成施設で演習として行っている「保育の表現技術」を想定。実習は、保育の現場を実践的に学べるメリットを挙げた。その上で厚労省は、今国会で国家戦略特区法改正案が成立すれば誕生する地域限定保育士の試験から導入してはどうかと提案した。

 

人材確保に有効か

 

 こうした厚労省案には疑問の声も上がった。

 

 村松幹子・全国保育士会副会長は、「保育所への実習や講習の委託は、現実を考えれば余裕はない」と主張。将来的には現場にも恩恵があるとしながらも、「現場の疲弊感も頭に入れてほしい」と訴えた。

 

 また、実技試験の免除がどこまで人材確保に有効なのか疑問視する声も出た。2014年度試験の場合、実技試験の受験者は8611人で合格率は89%。不合格者は975人しかいない。

 

 藤林慶子・東洋大教授は、そもそも実技試験の合格率は高いとし、不適格者を救うことになると主張。また、介護福祉士は養成施設で学ぶか、現場経験を積んで国家試験に合格しなければ資格を取得できない点が保育士とは異なるとし、質を担保できるか疑問を呈した。

 

 これに対し、法案が通れば地域限定保育士を実施する神奈川県の石渡美枝子・次世代育成課長は、現場の疲弊感に一定の理解を示しつつ「保育士不足の中で選択肢を増やすことは望ましい」と述べた。

 

 検討会は当面、地域限定保育士試験の実技試験に代わる講習や実習の科目や内容、開催時期について検討。また、保育士の養成課程と国家試験問題との整合性についても考える。

 

 

 

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