職員が動けば組織も動き出す 社会福祉法人の人事マネジメント

2015年0708 長谷川文徳・社会福祉法人誠信会理事長
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長谷川文徳 社会福祉法人誠信会 理事長(静岡県富士市)

 「まち・ひと・しごと創生総合戦略」(2014年12月27日閣議決定)により、地方創生として人口減少や生活の多様性への対応が論じられています。このことは社会福祉法人制度改革や各制度と連動して、地域福祉の流れを加速させるでしょう。これから社会福祉法人は、地域を基盤としたさらなる活動が求められます。

 

 さて社会福祉法人が実践してきた施設運営は、施設の維持管理、規則や秩序への準拠、ルーティンワークの尊重、マニュアルの重視など組織を恒常化させてきました。

 

 その結果、私たちの法人では「現状維持バイアス」が働きやすく、内向的な組織風土が作り上げられていました。この「現状維持の施設運営」からの脱却が、変化する社会から求められている社会福祉法人の課題でしょう。

 

 課題克服のため組織が、目標を持って進むべき中長期計画の策定、職員が目標を持って成長する人事システムの構築など、「現状の維持管理」から「未来の目標管理」へと意識改革を進めることが必要です。

 

 また当法人では①「誠信会の進化論」=進化できる組織②「DNAを継ぐ者」=創立理念の尊重③「しあわせの種をまく仕事」=福祉の使命−など、職員と共有する価値観の言葉を掲げました。

 

 これらの試みが職員のやりがいにつながり、地域・企業・行政が協力して市内全域の小学生と「森の自由研究おたすけ隊」を結成したり、地域と福祉事業所の交流を深める「桜まつり」を実施したりするなど、職員が率先して活躍する場を生んでいます。

 

 また職員のやりがいは地域をひきつける魅力にもなっています。「職員に活気があるね」「明るい雰囲気ですね」「みんな若いね」などと地域の方々から声をかけられ、人が集まる環境が生まれています。そして、それがさらなるやりがいにつながっています。

 

 これから社会福祉法人には、非金銭報酬・ワークライフバランス・育成システムの充実などの人事マネジメントによって、職員が主体的に活躍する環境づくりが大切になるでしょう。

 

(長谷川文徳・社会福祉法人誠信会理事長)

 

ふくしの里で遊ぶおたすけ隊参加の小学生たち

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