祈りながら 信じ希望し待つ 濱田多衛子・PlazaPuer光の園理事長

2013年0708 福祉新聞編集部
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 今春は4名が公立高校を卒業し、それぞれの任地に巣立っていった。これからの抱負をしっかり述べている姿を前にさまざまな思いが込みあげ、施設長となって、巣立っていく子どもたちを見送った30年間を振り返るひとときとなった。

 1979(昭和54)年に、創立者・長田シゲさんから受け継いだころは、あまりにも痛ましい現実に、やり場のない憤りを抑えることのできない日々を過ごしていた。

 長田さんが残した教えはたくさんあるが、もっとも大切にしたのが「一人ひとりが神のみ前にかけがえのない、等しく尊い存在である」との信念であった。

 子どもたちが善く生きていく力を育めるよう、子どもや職員とともに生活しながら、深い愛に根ざした質の高い養育環境づくりに努力され続けた。その原動力は常に祈ることであった。

 児童養護施設の園長を辞して数年が過ぎる。2006(平成18)年に、突然生死にかかわる病気をしたが、子どもたちやスタッフたちの献身的な祈りと看病のお陰で「奇跡の生還」と言われるほどに快復してきた。毎朝「行ってまいります!」と元気にあいさつし、登校する子どもたちの姿を見送りながら、30年の歩みを通して「信じ、希望し、待ち続ける」ことの大切さを実感する今、そのことを次の時代につないでいきたいと思っている。

 「たいせつな人の存在」を失ってやってくる子がほとんどだ。それぞれがやがて、その人なりに生きていく力を育んでいけるよう、日常を大切に積み重ねながら、養育環境がさらに成熟していくよう祈る日々である。

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