内部障害者支援施設の行方 御子柴智義・湘南アフタケア協会理事長

2013年0722 福祉新聞編集部
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 戦後60年続いた措置制度における身体障害者更生施設の役割は中軽度の身体障害者の社会復帰にあった。しかし、社会情勢の変化に伴い、家庭への復帰や地域での生活への移行が困難なケースが増え、更生施設としての役割から、生活施設としての役割が濃くなっていった。

 特に我々の施設のような内部障害者の更生施設では、入所時点で既に労働年齢の後半にあり、就労による社会復帰などは叶うこともなかった。逆に健康に不安を抱える内部障害者にとっては、集団生活といった息苦しさを感じながらも、施設といった守られた生活環境の中で暮らす安心感の中に身を置くようになっていたのも当時の入所者にとっては自然な成り行きだった。

 その中で、2006(平成18)年に施行された障害者自立支援法は、内部障害者を障害福祉サービスの外に追いやった。内部障害者の障害程度(支援)区分は低く判定されてしまい、生活介護の利用は難しい。一方、機能訓練を目的とした自立訓練にもあてはまらない。家族や地域から孤立した内部障害者は施設入所という選択肢を失い、障害福祉サービス以外の他法(生活保護法など)によるサービスに頼らざるを得なくなった。

 しかし、内部障害者として必要なサービスをそこに期待するのも難しく、不安を抱えながらも在宅生活を継続しているケースも少なくない。当法人施設では、自立支援法施行以前から利用している内部障害者で区分に満たない利用者については「経過措置」といった手続きの中での利用を継続している。

 しかし、自立支援法施行後の内部障害者の利用はほぼ皆無である。身体障害者手帳の障害別の数をみても内部障害者は肢体不自由者の次に多く、その増加率は肢体不自由者よりも高い。しかし、現状では、ただ身体障害者手帳を所持しているだけで、内部障害者が受けられる障害福祉サービスはほとんどない。

 戦後、結核罹患者の社会復帰施設として内部障害者更生施設を設立させ、さまざまな内臓疾患の患者に光を当てて来た先駆者たちの努力を無駄にしないためにも、内部障害者にとって必要な施設として、今後もその必要性を訴えていきたい。

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