施設長の質向上へ 平澤正人・日本福祉施設士会生涯研修委員長

2013年0916 福祉新聞編集部
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 全国社会福祉協議会・日本福祉施設士会(森田弘道会長)は8月末、都内で施設長実学講座(第1回)「変化の時代に求められる福祉施設の経営マネジメント」を開催した。

 

 講座の狙いは、次の2点にある。

 

 1点目は、自身が所属する福祉分野の政策動向だけに注意を払うのではなく、さまざまな分野を横断的に学ぶこと。第一線の研究者が「社会保障改革」「高齢者」「障害児・者」「子ども家庭福祉」の4分野について講義した。

 

 中でも渡辺俊介・国際医療福祉大学大学院教授は、現在社会福祉法人に対して公益的な性格にふさわしい組織体制の整備が不十分との批判がある点を指摘。背景には官僚的で新たな発想が見えないなどのイメージがあるとし、「地域の福祉課題の解決に向け、福祉の専門性を活用するなど内発性の発揮が求められる」と述べた。

 

 2点目は、論理的思考を習得し、状況に応じた対応をするための経験値を上げること。今回は「グループホームの組織変革」がテーマの疑似体験を通じて、何を根拠に、どう意思決定を行うかを学ぶケースメソッド研修を行った。法曹界やビジネススクールでも導入され、マネジメント教育で効果を上げている手法である。

 

 現場で直面する課題の解決には、その都度、情報収集を行い、自ら判断して、意思決定しなければならない。しかし、あらかじめ決められた正解はなく、修羅場体験などを通じ、経験値を高めることが必要になる。

 

 しかし、実社会でいつ体験できるか分からないため、意図的に疑似体験するケースメソッドが有効となる。本会は今回の研修で初めて導入したところ、実施後のアンケートで8割の参加者が、課題解決力の向上につながったと評価した。

 

 本会は、1976年の創設以来、福祉施設長の質向上に向け、生涯研修に取り組んできた。今年度の講座はあと4回開催する。ぜひ1人でも多くの会員や福祉施設長の皆さまに参加していただきたい。

 

 「人材確保・育成戦略」がテーマの第2回研修は、9月25・26両日に開催する。お問い合わせは日本福祉施設士会(☎03・3581・7819)まで。

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