困っている人を直ちに支援 本田英孝・明和園園長

2013年0930 福祉新聞編集部
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 救護施設「明和園」は1973年3月、更生施設「函館民生寮」を施設変更して開園した。「今、困っている人に直ちに手をさしのべ支援する」という姿勢で取り組んでいる。2009年2月には老朽化による建て替え工事を竣工、同年4月に定員90人となった。

 

 7月27日に第35回明和園祭を約650人の来場者を集めて盛大に開催した。短い時間だったが、密度の濃い交流が図れた。同祭には三つの目的がある。一つは入所者の日常の生活を見ていただくこと、二つ目は日ごろお世話になっている地域の方々に対しての感謝祭、そして三つ目は函館市民生事業協会の法人祭である。

 

 同祭は地域交流の集大成であるが、園では年間を通じて保育園から町会の高齢者まで、年代を超え、さまざまな形の交流を図っているため、入所者の毎日の生活の中で良いアクセントになっている。関係機関や地域の方々の理解も深まっており、地域における福祉の拠点としての地位を実現している。

 

 園には、自分の居場所がない、入院するほどでもないが地域で自立した生活が送れないといった人の入所や相談が多い。他の制度やサービスではまだ十分に対応できていない隙間の支援を担っている部分もあり、「困った時の救護施設」といっても過言ではない。以前に比べて精神障害者やホームレスの割合が増えている。

 

 福祉の原点は「目の前に対応しなければならないことがあれば、直ちに手を貸し行動することである」と言われる。

 

 仮に制度が確立していなくても、施設側は支援を求めてくるケースに対し、一時的にまず保護してから今後の方針を立てる。つまり、成さなければならないことを実行するということ。このようなケースに目を背けたり、対処をためらったりすることはその精神に反する。

 

 社会福祉に対する制度が今日のように整いつつある時でさえ、新しいニーズに対応するための方策について施設現場と行政機関との間に違いが往々にして生じてしまう。

 

 福祉施設としては受け入れケースの実績をそのまま積み重ね、行政との根強い協議・研究をし続け、公の事業として軌道に乗せていく協働作業も欠かせない。

 

 昨今、問題になっている生活困窮者対策について、全国救護施設協議会が行動指針をまとめた。救護施設としても積極的にかかわっていくことが使命であると感じている。これまで培った支援のノウハウ、専門性などを発揮しながら、入所者だけでなく、地域に暮らす生活困窮者への支援を広げていこうと考えている今日このごろである。

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