ドラマを見て思ったこと 大塩 孝江・倉明園施設長

2013年1111 福祉新聞編集部
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親子旅行で鳴門海峡の「渦の道」を歩いた子どもは「渦潮がすごく大きくて、びっくり」とお母さんにしがみつく(左端が大塩氏)

 「大塩さん、今夜、10時から見る?」「うん、絶対見ようね」と、猛暑の中、1日も休まず部活に通い、真っ黒に日焼けした中学1年の女の子とドラマを見る約束をする。翌日「すごく良かったね! 感動した」「あのお母さんとのシーンに泣いちゃった」とドラマの感想を語り合う。

 

 今、母子家庭のドラマが熱い。以前に比べてNHKも民放も、ひとり親家庭を描いたドラマが増えている。DV、児童虐待、経済的な困窮、子育て、子どもの父親との関係など〝これでもか〟という程の度重なる困難な状況から、支えてくれる人たちに出会いながら、生活を再建していく姿が描かれている。ドラマを見ながら思わず、「こんな時にこそ、母子生活支援施設を利用されたらいいのに」と思ってしまう。

 

 母子生活支援施設で働き始めて随分長くなった。母と子への支援はこの間、児童扶養手当法の改正、母子家庭の母及び父子家庭の父の就業の支援に関する法律の成立など、父子も含むひとり親家庭への支援策の充実が図られてはいるが、それらの施策が必要な世帯へ届いているのかが、大きな課題である。

 

 ひとり親家庭の生活は厳しい。子育てと就労を両立しながら、ドラマが描く生活の何倍も深く重い日々の連続である。安心して子育てができる生活の保障と、子育て支援策の充実が急がれる。

 

 母子家庭、父子家庭、共働き家庭、片働き家庭、そして社会的養護を必要としている家庭など、すべての家庭の子どもたちが健やかに育ち、希望する進路に向けて公平なスタートが保障される社会でありたい。

 

ハイカラなデザインの倉明園は1978年に天神川近くに建てられた。20世帯が入居できる

ハイカラなデザインの倉明園は1978年に天神川近くに建てられた。20世帯が入居できる

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