縦糸と横糸 阿部健二・社会福祉法人三愛荘 清泉園施設長

2013年1223 福祉新聞編集部
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 私の勤める職場は、群馬県渋川市にあります。榛名山麓に位置し、近くには有名な伊香保温泉があり、旅館の建物が職場の敷地から確認できます。三愛荘では、利用者の皆さんの日中活動として、近くの観光牧場の羊毛を使用した手工芸作品の製作を長年続けています。作品は、お客様から高い評価をいただいています。

 

 このように観光資源も豊富な渋川市は人口8万人ほどの地域ですが、人口規模の割に福祉基盤が多い地域でもあります。

 

 このところの障害者福祉制度はめまぐるしく変化し、福祉を必要としている方々は、そのスピードに対応できていないのが現実ではないかと、ちょっと心配です。

 

 渋川圏域では、2006年に近隣の吉岡町、榛東村を加えて、地域で活動する障害者関係事業所が40カ所ほど集まり、NPO法人(真下宗司理事長)を立ち上げ、共同で福祉ニーズに応える仕組みづくりに取り組みました。そのNPO法人が中心となり、基幹相談支援事業所を運営しています。所属の法人から職員に出向してもらい、共同運営です。基本相談もみるみるうちに件数が増えていきました。

 

 この運営を通じて、これまで地域の中で名前は知っていたけど結びつきの少なかった事業所ともより深くかかわることができてきました。市町村とも意思疎通ができやすくなりました。

 

 今、「地域」というキーワードが福祉の世界でもより重要性を増しています。それぞれの事業所の得意分野をうまく調整して、福祉を必要とする方々が、安心感をもってその地域で生活ができる協力関係の構築が、これから一層必要になると感じています。縦糸の事業所に横糸の関係が織り込まれ、今日もより良い福祉環境ができています。

 

市内で共同運営する「なんでも相談室」

市内で共同運営する「なんでも相談室」

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