東京のレストランに卸すほどの品質 精神障害者らが野菜を自然栽培(沖縄)
2016年09月02日 福祉新聞編集部
合同会社「ソルファコミュニティ」(沖縄県北中城村)は、就労継続支援A型事業として、精神障害のある利用者などが自然栽培で野菜を育て、販売している。特に甘みが凝縮されているというセロリは、東京のレストランに卸すほどの品質だという。
現在、利用者は19人で半数を精神障害者が占める。利用者らは午前10時から午後3時まで農作業を行う。草取りや水やり、収穫まですべての作業にかかわる。「太陽の光や風などの刺激を受けることで、利用者の症状は良くなるケースが少なくない」と玉城卓・同社代表は話す。
利用者の出社率は9割ほど。平均月収は月6万円で、給与減額の特例は申請していないという。
同社は4カ所で計3000坪の畑を借りており、オクラや空芯菜など40種類の野菜を農薬や肥料を使わない自然栽培で育てる。
直営店で販売するほか、全国10カ所に卸す。中でもセロリは味が濃く、香りが良いと評判で、ミシュランも評価する都内のイタリアンレストランでも採用しているという。
同社の野菜の売り上げは年600万円ほど。このほか自社で加工製品を製作したり、オーガニック製品を輸入したりしている。
玉城代表は福祉系大学を卒業後、高齢者や障害者の施設などで勤務。自然栽培をしていた人との出会いをきっかけに、3年前から地元の沖縄で同社を立ち上げた。「福祉の枠を広げ、食を通じた地域づくりを目指したい。さまざまな分野の人とも連携しコミュニティーを活性化させることができれば」と話している。
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