手話で暮らせるサ高住 全国初、札幌にオープン

2017年0523 福祉新聞編集部
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日中は1階の介護事業所でくつろいだりする

 60歳以上の聴覚障害者が手話を使って住めるサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)「ほほえみの郷」が4月1日、札幌市内でオープンした。公益社団法人札幌聴覚障害者協会(渋谷雄幸理事長)が40年来の悲願を達成し、聞こえないことを気にせずに暮らせる場を設けた。同協会はこうしたサ高住は全国初だとしている。

 

 「一般の老人ホームでは聞こえる人ばかりで退屈だ」「手話の分からない職員には希望を伝えられない」――。

 

 渋谷理事長によると、手話を使って暮らせる高齢者用の住まいを求める声は1970年代から上がっていた。その当時750人いた会員は現在440人。会員減の一方で高齢化は進み、7割が50代以上だという。

 

 満を持して開設されたほほえみの郷は3階建てで2、3階が居室。2人部屋を含む20戸に最大24人が暮らせる。1人部屋の場合、負担は家賃、食費などを含め月10万~12万円。1階には同協会の小規模多機能型居宅介護事業所が入った。

 

 4月26日までに12戸に14人が入居。要支援・要介護と認定された人がほとんどで、日中は1階に通って介護を受けたり字幕付きのテレビを見て団らんしたりする。小規模多機能の職員は10人で手話を使いこなし、聴覚障害者も4人いる。

 

ほほえみの郷の外観

 

 妻(82)と入居した宮内昭治さん(86)は16歳のころからの同協会会員。炊事など家事がおぼつかなくなったため「ほほえみの郷」を選んだ。幼少期にろう学校で手話を禁じられ、隠れて手話を使ったり字幕のついた外国映画をコッソリ観たりした世代だ。

 

 隣近所との会話がなかった以前の住まいとは異なり、手話を使って〝雑談〟できる今の生活は快適だとし、「いつまでもこの暮らしが続いてほしい」と笑う。渋谷理事長は「ほほえみの郷は単なる住まいではなく、聴覚障害者が歩んできた道を次の世代に伝える場でありたい」と話している。

 

 

 

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