<保育新時代>保育園の地域貢献

2017年1226 福祉新聞編集部
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 2017年の改正社会福祉法で、社会福祉法人には、支援が必要な人に対し、無料または低額で福祉サービスを積極的に行う公益的取り組みの責務が明記されました。

 

 社会福祉法人の成り立ちから考えれば当然ですが、保育園・認定こども園は、長年施設中心で園を経営してきた経緯があり、疑問と戸惑いがありました。

 

 保育園は、児童福祉法や「保育所保育指針」の改定のたびに、時代に呼応した保育の在り方を模索してきました。指導監査で細かな指摘を受けながら、保育の質の向上を目指して、脇目も振らず子どもの最善の利益を追求しています。

 

 発達障害の疑いのある子ども、一人親家庭、精神障害のある保護者へのフォロー。保育園は多岐にわたる支援を余儀なくされているのです。このような中で、保育園・認定こども園の関係者からは地域貢献や公益的取り組みとは何なのかという質問が多く寄せられるようになりました。

 

 既存事業の延長線で考えれば、園独自で徴収している雑費、3歳以上児の主食費や延長保育料などの低所得層への減免がすぐに思いつきます。子どもや保護者への支援は保育園・認定こども園の業務の範囲に入ってしまうと思い込んでいますが、その中にもたくさんの地域貢献の事業が含まれていますので、それらを積極的に広報すべきでしょう。

 

 また、日常の子どもや保護者の様子から日常生活への支援が必要と感じられる場合もあり、そうしたときに関係機関の紹介などもできると思います。

 

 近年、社会福祉法人が社協や民生委員などとも連携して、地域で生計困難者の課題を解決する仕組みが各都道府県にできています。

 

 未設置の地域もありますが、遠くない将来、全都道府県に設置されるでしょう。

 

 このような法人間連携の取り組みに参画して会費を負担し、園児や周辺の家庭で支援が必要と思われた場合、関係機関へつなぐことも大切な公益的取り組みです。保育園・認定こども園の社会福祉法人が無理なく取り組める一つの方法でしょう。

 

 すべての社会福祉法人が地域貢献として、こうした法人間連携の事業に参画し、さらに独自で事業をする。保育園・認定こども園だけの法人でも、全国隅から隅までセーフティーネットの重要な網の目の一つとして、役割を果たしていけると期待しています。

 

 (今回の原稿は、全国社会福祉法人経営者協議会保育事業経営委員会の小島伸也先生と忽那ゆみ代先生にご協力頂きました)

 

 

 

【寺田清美教授略歴】東京成徳短期大学教授。保育歴26年(係長副園長)の経験もあり、社会福祉士の資格も持つ。厚生労働省の社会保障審議会保育専門委員会委員も務めている。

 

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