東京・品川区のシルバーセンターが変身 多世代が交流し大盛況
2018年04月26日 福祉新聞編集部
東京都品川区の多世代交流支援施設「大崎ゆうゆうプラザ」が、5月で開所2年目を迎える。前身は老人福祉施設・シルバーセンターだが、今では幅広い世代が訪れ、にぎわいをみせている。運営する同区社会福祉協議会は「ハード、ソフト両面から多世代に対応できた結果」と、運用状況に手応えを感じている。
同プラザは「共生社会」の実現に積極的な区が、既存のシルバーセンターの老朽化に伴い、多世代向けの施設に建て替えたもの。
地上2階建てで、区の北部に位置し、JR大崎駅から徒歩約8分の住宅街にある。土日祝日も開館している。
1階には地域交流スペースを設置。児童が勉強したり、入浴後の高齢者が顔見知りと談笑したりして過ごす「憩いの場」になっている。
新たな取り組みとして、無料で参加でき、高齢者向けの認知症予防のための健康増進プログラムを展開。毎週金曜日には、職員とボランティアが高齢者に脳トレ、筋トレの指導を行っている。
子育て世代の利用を意識した造りも特徴だ。1階には授乳室が整備され、地域交流スペースの棚には絵本がぎっしり。障害者や親子が安心して利用できる多機能トイレも完備した。
さらに、地元の女性高齢者でつくる子育てボランティア団体が、定期的に母親の育児支援を行っている。親子の交流イベントも好評だという。
このほか、生涯学習や趣味で利用できる施設も充実させた。民間施設よりも安く借りられるため、ダンスや語学学習などのサークルが利用し、連日、大盛況だ。
昨年度の利用者数は高齢者を中心に延べ約3万3000人。シルバーセンター時代と比べると2倍以上になる。今年度は、公共施設が災害時の避難先に指定されていることに着目し、「防災」をテーマに利用者数の拡大とさらなる世代間交流を図る。5月26日には、区防災課と連携した「防災カフェ」の開催を予定している。
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