児童養護施設と企業が初の交流会 就職支援に連携の第1歩(茨城)

2018年0523 福祉新聞編集部
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施設と企業が本音を語った交流会

 茨城県内の児童養護施設などと地域の中小企業が交流する初めてのイベントが9日、社会福祉法人慈川会が運営する児童養護施設チルドレンズ・ホーム(那珂市)で開かれた。社会的養護出身者の就職支援などを行うNPO法人フェアスタートサポート(永岡鉄平代表理事)が呼び掛け、県内の児童養護施設や自立援助ホームなど20施設と、茨城県中小企業家同友会に所属する14企業が参加した。

 

 イベントでは、まず野田潤一郎・臨海学園主任児童員が、日本の社会的養護の現状を解説。虐待を受けたり、障害があったりする子どもが増えていることなどを説明した。その後、施設と企業でグループをつくり、どんな課題があるかを討議し、全体で共有した。

 

 施設側からは「子どもが偏見の目にさらされるかもと思い、企業には積極的に施設出身だと伝えられない」との声が上がった。一方、企業からは「人手不足の中、地域の高校生はぜひ採用したい。しかし正直なところ、児童養護施設と養護学校の違いすら分からないと言う企業も多い」という意見が出た。

 

 イベント後、県内で着物店などを経営する矢内久子・千成屋代表取締役は「交流会の回数を重ねながら、企業と施設が望むことをそれぞれ伝えていければ」と話した。今後は県内を3ブロックに分け、職場見学会なども考えたいという。

 

 厚生労働省の調査によると、児童養護施設出身者の約7割が高校卒業後に就職する。永岡代表は「施設と企業が顔の見える関係で、いつでも相談できるようになれば、就職の定着率を上げることができるのでは」と話している。

 

 

 

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