セブン-イレブン いい配分 社協を通じ福祉施設へ商品寄贈(横浜)
2019年02月15日 福祉新聞編集部
コンビニ大手の(株)セブン―イレブン・ジャパンが、閉店・改装した店舗の加工食品などを横浜市内の福祉施設に寄贈を始めて1年がたとうとしている。配分の事務を担う同市社会福祉協議会は、必要とする人に物資を届ける取り組みにより、従来の地域づくりがさらに進んだとみる。3月に開くフォーラムでその成果を報告する。
全国初の3者協定
同社は市、市社協と昨年4月、寄贈に関する全国初の3者協定を締結。1月末までの10カ月で即席麺、スナック菓子、文房具といった商品を段ボールで約2200箱(53店舗分)を寄贈した。
協定によると、同社は閉店・改装する店舗の情報を市社協に伝達する。市社協は希望する配送場所を回答。同社は市社協か市内18区の区社協のうち1カ所に届けるが、それをどう配分するかは社協側が決めて実行する。
商品はジャンルごとに整理され箱に入っているわけではなく、1回の寄贈で150箱と大量になる例も。賞味期限を気にしながら必要とする団体や個人に届ける社協側の事務負担は小さくない。
市社協は調整役となる非常勤職員を1人雇用。市社協・区社協は届いた商品を仕分けて保管し、子どもの分野を中心とした福祉施設や非営利団体に呼び掛けて配分会を開くのが基本的な流れだ。
「どの作業も日ごろの人間関係がないと円滑に進まない」(市社協地域福祉課)という実態を同社も熟知し、「社協の協力があってこそ寄贈できる」(企業行動推進室)と評価する。
社協側は商品を届けて生活に役立ててもらうという成果だけでなく、配分作業から生まれる「つながり」に手応えを感じている。
例えば、戸塚区社協は保育園を配分の拠点として活用。ある園では定員と同じ数の袋にお菓子などを仕分けておき、お迎えにきた保護者に渡した。
「袋に民生委員さんや区社協の連絡先を書いた紙を同封し、何か困りごとがあれば相談を、と呼び掛けたところ、実際に連絡がありました」
そう話すのは同区社協の山川英里さん。「助け合いのまち」をつくるには困ったときにSOSを出しやすい環境を整えることが必要で、地元の人や生活関連情報が集まる保育園は貴重な場だと捉えている。
それまで出会うことのなかった人同士が出会い、外からは見えにくい生活課題が表面化したりその解決につながったりする--。市社協は商品の配分が呼び水となり、こうした「地域づくり」が進んだと分析する。
3月13日に報告会
同社は他の地域でも寄贈を進める意向で、京都市、岡山県で同様の3者協定を結んだ。同社の店舗数は昨年末現在、国内は2万700店。今秋には沖縄県にも初めて出店する。
他県からも問い合わせが相次いだことを受け、市社協はこの取り組みの報告会を兼ねた食支援に関するフォーラムを3月13日午後、新都市ホール(定員500人、そごう横浜店9階)で開く。
詳細は同市社協ホームページ(http://www.yokohamashakyo.jp/)参照。
筑摩書房
売り上げランキング: 569
岩波書店
売り上げランキング: 11,032
岩波書店
売り上げランキング: 11,068