障害者の「買う」も支える 読書バリアフリー法成立

2019年0702 福祉新聞編集部
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点字図書の製作支援も法律に位置付けられた(日本点字図書館での製作の様子)

 視覚障害者らの読書環境を改善する「読書バリアフリー法」が6月21日、衆議院本会議で全会一致で可決、成立した。視覚障害者らが図書を借りる権利と買う自由を担保することが狙い。図書館によるサービス提供体制を強化すること、電子書籍の販売を促すことなど9つの施策を明記した。施行は公布日。

 

 法律の正式名称は「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」。この場合の「等」は発達障害者や、本のページをめくるのが困難な肢体不自由者を含む。

 

 借りる権利については図書館の点字図書などを充実させる。インターネットを活用して電子書籍(点字データ、音声データなど)を借りる仕組みも、より多くの人が利用できるようにする。

 

 具体的には、ネットワーク化された電子図書館「サピエ」の運営を安定化させるため政府が財政措置を拡充したり、公立図書館のサピエへの加入を促したりする。

 

 買う自由については、電子書籍の販売を促すことを明記。出版社が視覚障害者らにデータ提供する際の漏えい防止策や、著作権に関する合意形成などを国が助言する。国が優良企業を顕彰することも想定する。

 

 文部科学省、厚生労働省には取り組みの基本計画を作るよう義務付けた。地方自治体に対しては、基本計画を踏まえた計画の策定を努力義務とした。

 

 読書環境の整備を図るため国が国会図書館、出版社、障害者団体などによる協議の場を設けることも義務付けた。

 

 同法の制定を求めていた日本盲人会連合の竹下義樹会長は本紙の取材に「買う自由を法律に位置付けたことで、電子書籍の出版情報を障害者らに知らせる流れができる」と期待を述べた。

 

 特に、行政が計画を作ることで現状把握が進み、そこで浮上した問題点を「協議の場」で出版社らと話し合えることが大きな意味を持つとみている。

 

 同法は超党派の議員連盟(会長=衛藤晟一・首相補佐官)が検討してきた議員立法で、6月18日に参議院文教科学委員長が提出。参院本会議では19日に可決されていた。

 

 

 

 

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