共生社会つくるSWへ 社会福祉士、精神保健福祉士養成の新カリキュラム案〈厚労省〉

2019年0709 福祉新聞編集部
    • このエントリーをはてなブックマークに追加

 厚生労働省は6月28日、社会福祉士、精神保健福祉士の養成カリキュラムの改定案を明らかにした。両資格の共通科目として「地域福祉と包括的支援体制」を位置付けた。政府が提唱する「地域共生社会」の実現に向けて、地域の社会資源を総動員できるソーシャルワーカー(SW)の養成を目指し、実習・演習も拡充する。

 

 法改正はせず、履修時間の合計も現行と同じにする。意見募集を経て9月までをめどに省令や通知を改正し、大学では2021年度の入学者から導入する。国家試験は24年度(25年2月実施)から新カリキュラムを反映する。

 

 共通科目「地域福祉と包括的支援体制」では、18年4月施行の改正社会福祉法第106条の3が市町村の努力義務と規定した「包括的な支援体制の整備」を学ぶ。

 

 無職の50代とその80代の親が困窮する「8050(はちまるごーまる)問題」や、依存症、災害時の被災者支援といった近年注目されるテーマもこの科目の履修内容とする。

 

 専門職として個別の困り事に対処することに加え、住民の力も借りながら困り事に気付き、解決に結びつける体制をつくる役割を果たすことを目指す。

 

 このことに関連し、現行の科目名に「相談援助」とあるものは「ソーシャルワーク」に改める。地域社会への働き掛けを含む広い意味であることを明確に打ち出し、その一部は共通科目とした。

 

 社会福祉士の専門科目だった「更生保護制度」は履修時間を2倍に増やし、「刑事司法と福祉」という名称の共通科目に改める。

 

 再犯防止と犯罪被害者支援の両面にわたり、福祉の視点から刑事司法、少年司法の基礎を学ぶ。

 

 科目を統廃合した結果、共通科目が増えた。片方の資格を持つ人がもう一つの資格を目指す際には共通科目の受験が免除されるため、負担は減る。

 

 社会福祉士のカリキュラム改定は09年度に現在のものになって以来で、実習は60時間増やす。実習施設としては都道府県社会福祉協議会、地域生活定着支援センターなどを追加する。

 

 精神保健福祉士のカリキュラムは12年度に現在のものになって以来の改定。資格取得者の活動範囲が医療機関だけでなく多分野に広がる実態を反映したものに改める。

 

 

社会福祉士、精神保健福祉士を養成する大学などが加盟する

日本ソーシャルワーク教育学校連盟 白澤政和 会長の話

 

 

 科目名に「ソーシャルワーク」を入れた点が今回の改定の大きな成果だ。個別支援と地域支援を一体的にできる人材を育てるという意味を明確にできた。これは地域共生社会をつくることと大いに関係する。今後のソーシャルワーク実習については、社会福祉法人で働く皆さまには「地域における公益的な取り組み」(社会福祉法第24条2項で法人の責務とされた)と絡めて捉えるようお願いしたい。実習を介して社会福祉法人と養成校が一体となり、地域共生社会の実現を推進していきたい。

 

 

 

    • このエントリーをはてなブックマークに追加