「かかわり続ける」を重視 地域共生社会の実現に向け、新交付金の創設へ 

2019年0724 福祉新聞編集部
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 厚生労働省は7月16日、市町村が住民の孤立、困窮、介護といった生活課題に総合的に対応するため、専門職らが本人やその世帯に継続的にかかわることを重視する方針を固めた。地域共生社会の実現に向けて、市町村の相談支援体制を強化する新しい交付金の創設を検討する。2020年の通常国会に社会福祉法などの改正案を提出したい考えだ。

 

 厚労省は同日、「地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会」(座長=宮本太郎・中央大教授)に中間報告案を示し、大筋で了承された。9月から検討を再開し、年内に最終報告をまとめる。

 

 中間報告案は「属性や課題に基づいた既存の制度の縦割りを再整理する新たな枠組みの創設を検討すべき」と提言。「新たな枠組み」の姿は不明だが、使途制限の緩い交付金の創設が想定される。

 

 新しい相談窓口はつくらない。すべての市町村に取り組みを義務付けるわけでもない。厚労省は「熱意のある市町村に相談支援体制を再点検していただき、足りない機能を新制度で補う」(生活困窮者自立支援室)としている。

 

 キーワードの一つが「伴走型支援」だ。介護など個別の生活課題に着目して解決を図ることよりも、本人やその世帯にかかわり続けることを重視する。

 

 現在は個別の制度に基づく生活課題が解決されると、相談機関はその世帯に他の課題があってもかかわり続ける根拠が弱くなる。

 

 一方、「引きこもり」や、無職の50代と、その80代の親が困窮する「8050問題」は、社会から孤立していることが問題を複雑にする面がある。

 

 そのため検討会は、相談機関が本人やその世帯にかかわり続けることを制度的・財政的に保障する必要があると判断。社会と接点を持てるようにする「参加支援」にも力を入れるべきと提言した。

 

 「参加支援」のメニュー例としては「居住支援や就労支援における公的な身元保証の仕組み」などを挙げた。

 

 地域共生社会は、16年6月閣議決定の「ニッポン1億総活躍プラン」に盛り込まれた目標。サービスの支え手や受け手という立場を固定せず、誰もが地域づくりに参画することを目指すという。

 

 

 

 

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