母子家庭や障害者らが混合利用 福島縫製福祉センター

2019年0815 福祉新聞編集部
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授産とB型利用者が一緒に働く

 福島市の社会福祉法人福島縫製福祉センター(臼田弘理事長)が運営する授産施設は、母子家庭の母親や生活困窮者と、障害者が一緒に作業する全国でも珍しい混合利用型施設だ。1937年の開所以来80年以上にわたり、一般就労が困難な人を支え続けている。

 

 同施設は、傷痍しょうい軍人や戦争未亡人に軍服の縫製作業など就労機会を提供する軍人援護作業所として開所。生活保護法の保護授産施設を経て、57年に社会福祉事業法の授産施設となり、2006年に基準該当就労継続支援B型事業を始めた。

 

 作業の柱は、法人名の通り縫製作業。200社・団体を超える取引先があり、幼稚園や学校の制服、行政・企業の作業服などを製造している。

 

 縫製作業は上着などの上ものだけ、ズボンなどの下ものだけといった分担受注する事業所が多いが、同施設は全てを一貫受注する。 工程が増え、複雑・多様な技術も求められるが、それを担える人材を養成してきた。

 

 特に昭和30年代からは制服の注文が増え、一般メーカーより2~3割安い価格と、品質の良さが評価され、全国から注文がくるようになった。

 

 地域とのつながりも大切にしており、近隣3小学校・2中学校の制服は、就学時健診の際に担当者が学校に出向き、保護者から直接注文を受けて製造・販売する。繁忙期の2~3月には、1日50人以上が施設に制服を受け取りに来る。

 

 17年度までの収益は1億円以上。授産利用者には最低賃金、B型利用者には平均2万5000円以上の工賃を払うなど順風満帆のようだが、近年、新たな課題が出てきた。

 

 最大の課題は、生産性の維持と技術継承だ。1990年代に80人だった定員は、今は40人にまで減った。利用者割合も「健常者70%対障害者30%」が、「20%対80%」になった。「人数が減り、障害者が増えた分、生産性は落ち、高度な技術継承が難しくなった」と小室雅幸所長は話す。

 

 注文をこなせず、東北厚生局から発注されていた白衣や、市内中学校のセーラー服の製造を中止せざるを得なくなった。2018年度の売り上げは初めて1億円を下回った。

 

 時代とともに変わる仕入れや注文への対応も課題だ。例えば、生地の最低ロットが100メートルから500メートルになり、1回分の仕入れ費用がかかるようになった。少子化の影響で注文数が減っただけでなく、制服納入後に保育園に入れなかった子どもの分の再注文が幼稚園から届くなど、小ロットの対応も求められるようになった。

 

 「品質と納期は絶対守らないといけない。授産利用者を確保し技術継承しないといけないし、B型利用者にもできる作業も探さないといけない」と小室所長は話している。

 

 

 

 

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