まち歩きで混ざり合う 障害者が観光案内(新潟市)

2019年1121 福祉新聞編集部
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いくつもの名所を解説して回った佐藤喜代美さん(中央、白杖を持つ人)

 「新潟大好き 障がい者によるまち歩き」と題し、障害者が新潟市内の観光名所を案内するイベントが10月27日、行われた。案内する側も聞く側も、それぞれが持つ情報や経験を分かち合う。異なる色が混ざることで新しい色を生み出すように、まちに彩りを加える格好になった。

 

 この日の案内役は肢体不自由者、視覚障害者、聴覚障害者の3人。参加した〝観光客〟は18人で、そのうち11人は障害者だ。案内役の3人とも普段からこうした活動をしているわけではなく、イベントの趣旨に賛同して手を挙げた。

 

 同市の中心街を約2時間かけて「音」や「におい」で魅力を伝えます、という触れ込みだ。日ごろから観光ガイドに取り組むボランティアや市の職員らが案内役を支える。

 

 「まだ少し目が見えていた高校生のころ、ここの2階で琴を習っていました。階段を上がる時のトントンという音が心地良かった」。案内役の一人、全盲の佐藤喜代美さん(74)は北方文化博物館新潟分館でこう語った。

 

 明治時代の文学者、會津八一が晩年を過ごした洋館で、その養女から手ほどきを受けたことを昨日の出来事のように話した。

 

 障害の有無に関係なく大勢で絵を描いたり楽器を演奏したりする活動が芸術ならば、障害者が案内役になってまちを歩き、案内される側と経験や情報を分かち合うことも芸術ではないか――。

 

 そんな発想によるまち歩きイベントは、埋もれた経験や、出会う機会のない人同士が「混ざり合うこと」を促すのが狙い。人の暮らしもまちも、より豊かになれば、という願いが込められている。

 

 企画を提案したNPO法人まちづくり学校(同市)理事の中村美香さんは「障害のある人も新潟で暮らし、情報を持っている。それらを表に出す機会があまりないので、引き出すことが大切だ」と話している。

 

 今回の「まち歩き」は「第34回国民文化祭」と「第19回全国障害者芸術・文化祭」の一環として、新潟市などによる実行委員会が主催した。両文化祭は11月30日まで開かれる。

 

 

 

 

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