社会的養育 グループホームの職員配置6対6へ 2年で倍手厚く〈厚労省〉

2020年0120 福祉新聞編集部
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 厚生労働省は虐待などで実親と暮らせない子どもを支える社会的養育について、家庭養育を充実させる。2020年度から児童養護施設のうち小規模で育てるグループホームの職員配置を現状の6対4から最大6対6へと拡充。18年度と比べて倍の水準となっており、厚労省は「ここまで短期間で手厚くなるのは前例がない」と説明する。一方、里親に支給する手当ても第2子以降を倍に増額する。

 

 新たに職員配置が手厚くなるのは、地域小規模児童養護施設と、分園型小規模グループケア。いずれも定員6人で、児童養護施設本体とは別の敷地にある民間住宅を利用しているケースが多い。

 

 現行では子どもと職員の配置は6対4となっているが、来年度から最大6対6まで引き上げる。いずれも18年度まで6対3だったため、最大で倍の水準になったことになる。

 

 ただ厚労省は、積極的に里親委託や施設の多機能化を進めていることなどの要件を課す方針で、今後、具体的な要件についての通知を出すという。

 

 厚労省子ども家庭局家庭福祉課は「たった2年で職員配置が倍になるなど前例がない。施設による良好な家庭的環境による養育体制の充実へ力を入れる姿勢の表れだ」と強調する。

 

 小規模のグループホームへの職員配置が手厚くなる点について、児童養護施設関係者からも「非常に驚いた。現場の負担が大幅に軽減されることは間違いない」と評価する声が上がる。職員の宿直回数が週2回から週1回に減ることや、正規職員の割合が増える影響があるという。

 

 ただ、桑原教修・全国児童養護施設協議会長は一定の評価をしつつも「今回も本体施設に対する拡充が全くないのはふに落ちない。本体施設の支えがなければグループホームは成り立たない」と懸念する。

 

 また「現場では障害などで里親やグループホームで受け入れられない子どもがたくさんいる。養育の体制に格差が生まれてもいいのか」と疑問を呈す。

 

■里親手当も拡充

 

 一方、里親に支給する手当についても大幅に拡充する。

 

 養育里親は1人目が8万6000円から9万円へ増額。2人目以降は4万3000円から9万円へと倍増させる。このため、制度上の上限である4人の子どもを受け入れた際の里親手当は最大で36万円となる。 

 

 同様に、知的障害や精神障害のある子などを最大2人受け入れる専門里親は、1人目が13万7000円から14万1000円へ増額し、2人目以降は9万4000円から14万1000円に大幅拡充する。

 

 こうしたインセンティブは、既に実績があって信頼のおける里親に対して、2人以上受け入れてもらうことで、より委託児童数を増やす狙いがあるという。

 

 河内美舟・全国里親会長は「これまで要望してきた2人目以降の手当の拡充が認められて大変ありがたい。増額されたことで、より子どもたちのより健やかな成長に役立てられると思う」などと話している。

 

 

 

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