就労継続支援A、B型に目標値 厚労省が障害福祉計画で指針

2020年0129 福祉新聞編集部
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 厚生労働省は1月17日、2021年度から3年間の障害福祉の基本指針をまとめた。障害福祉サービスの就労継続支援A型、同B型の利用を経て一般就労に移る人の数に目標値を設ける。23年度までにA型は19年度実績の1・26倍以上、B型は1・23倍以上とする方針。都道府県・市町村はこの指針に沿って第6期障害福祉計画、第2期障害児福祉計画を20年度中に作る。

 

 同日の社会保障審議会障害者部会(座長=駒村康平・慶應義塾大教授)に指針案を示し、了承された。今後、意見募集を経て3月末までに正式決定する。

 

 A型は障害者が事業所と雇用契約を結び、B型は結ばない。いずれも一般就労の難しい人が福祉サービスを受けながら働く訓練をする。厚労省は近年、事業所で働く障害者の賃金・工賃引き上げを促している。

 

 今後は、一般就労につながる人を増やしたい考えだが、審議会の委員からは目標値を設定することに慎重な意見もあった。

 

 目標値を設けると、一般就労の見込める人がA型、B型に通い、見込みの薄い人は通いにくくなることが懸念されるからだ。

 

 A型事業所の全国団体「就労継続支援A型事業所全国協議会」代表の久保寺一男さんは「目標値を設定するのは良いが、数値の根拠が不明だ」としている。

 

 19年7月現在、A型のサービス利用者は約7・1万人、B型は約26・3万人。18年度の事業所数はA型が3554カ所、B型が1万1750カ所。障害福祉サービス全体に占める割合は大きく、指針の見直しによる影響も大きくなる見通しだ。

 

 このほか、精神科病院から退院した人の暮らしの定着に着目した目標値も設ける。退院後1年間のうち、再入院した期間を除いた日数の平均を「316日以上」とする目標を設定した。この日数が長いほど、地域生活を定着させる体制が整っているとみなす。

 

 障害児については、難聴児支援に関連し、児童発達支援センターなどを活用した中核的な相談支援体制を築くことを目標とする。医療、教育、福祉について、どこでどんな支援が得られるか情報が分散する現状を改める。

 

 障害福祉計画、障害児福祉計画はサービスの基盤整備を計画的に進めるため、3年ごとに作られている。厚労省の定める指針は、作成にあたる際の基本理念や、サービス確保の目標値を盛り込んでいる。

 

 今回の指針には、基本理念に「障害福祉人材の確保」「障害者の社会参加を支える取り組み」を追加する予定になっている。「障害者による文化芸術活動」、政府が提唱する「地域共生社会」についても、各地での取り組みを促すことにしている。

 

 

 

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