多様な働き方提案で高齢者の就労支援 満足度99%の「NEXTワークしずおか」

2020年0218 福祉新聞編集部
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オープンスペースでベテラン職員が相談に乗る

 静岡市が昨年6月、市役所2階に開所した高齢者向けワンストップ就労相談窓口「NEXTワークしずおか」が、開所8カ月で目標の2倍を超える延べ1200人の個別相談、160人の就労を実現した。就労した人の2割は、介護・福祉事業所に就職しており、人手不足に悩む事業所にとって貴重な橋渡し役になっている。

 

 静岡市は「人生100年時代に対応した高齢者が活躍するまちづくり」を目指し、2017年11月に社会福祉協議会、シルバー人材センター、商工会議所、JAなど10団体で構成する官民連携会議を設置。1年半をかけ、福祉と経済の両面から高齢者の就労・社会参加のあり方を検討してきた。

 

 その成果を生かし、厚生労働省のモデル事業「生涯現役促進地域連携事業」の交付金3000万円を受け開所したのがNEXTだ。

 

 市の主導で求人情報やセミナーの紹介、個別相談支援などを行うNEXTは、オープンサロンのような気軽に立ち寄れる明るい雰囲気が特徴だ。人材派遣会社などにいた経験豊富な職員4人が、高齢者の希望に沿った仕事や働き方ができる企業を紹介したり、履歴書の書き方や面接時の注意点(服装など)を教えたりしてくれる。

 

求人情報を見に来た人に対応するNEXTの職員(左)

 

 求人は、ハローワークやシルバー人材センター、商工会などの情報のほか、職員がウェブ上で求人情報を集め、実際に企業などを訪問して労働環境などを確認した上で紹介している。企業側に「週3~4回、1日4~5時間程度働きたい」という希望が多い高齢者の現状を伝え、フルタイムではない募集方法も提案しているという。

 

 一方、求職者には、希望する働き方(フルタイムか週3日程度の中間的就労かなど)や場所などを聞いた上で、個々に合った求人を紹介する。相談は生活全般に関わることが多く、年金や生活保護など専門分野に及ぶ場合は、職員が担当窓口まで連れて行く。

 

 開所時の目標(3月末まで)は、個別相談延べ600件、就労実績80人だったが、1月末で目標の2倍を超えた。就労先は、重点分野の「介護・福祉」「農業」などが多い。就労実績には含まれないが、シルバー人材センターに登録した人も80人いたという。

 

 加藤正嗣・健康長寿統括監は「相談に来やすい雰囲気づくりと、マスコミへの売り込みなどPRに力を入れてきた。モデル事業に取り組む全国62自治体の中でも高い就労実績を上げており、利用者の満足度も99%と高い。今後は地域密着の活動を広げたい」と話している。

 

 

 

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