介護報酬改定に向け議論開始 制度の持続性確保が焦点に〈厚労省〉

2020年0324 福祉新聞編集部
    • このエントリーをはてなブックマークに追加

 厚生労働省の社会保障審議会介護給付費分科会(座長=田中滋・埼玉県立大理事長)が3月16日に開かれ、2021年度の介護報酬改定に向けた議論を始めた。今後、月2回程度開かれ、年内に審議報告をまとめる。委員からは「人材確保」「ロボット、ICT(情報通信技術)」「アウトカム評価」に関する意見が目立った。

 

 分科会では、秋までに共通事項、各サービスの論点について、関係者ヒアリングも含めて一通り議論した後、年末までに具体的な方向性を固める。21年度からの各サービスの報酬単価は、政府における年末の予算編成過程で決まる全体の報酬改定率を受けて、年明けに決定する予定。

 

 厚労省は同日、主な論点として、(1)地域包括ケアシステムの推進(2)自立支援・重度化防止の推進(3)介護人材の確保・介護現場の革新(4)制度の安定性・持続可能性の確保――を挙げた。

 

 分科会の前回(17年12月)の審議報告と似た内容が並んだが、今回は、団塊世代が後期高齢者となる25年と、高齢化のピークを迎える40年も見据え、制度の持続性を確保することが焦点の一つとなる。

 

 委員の発言で多かったのは人材確保について。「介護従事者の処遇改善を図るために報酬を強化してほしい」(全国市長会の大西秀人委員)、「処遇改善加算が給与にきちんと反映されているか検証が必要」(全国健康保険協会の安藤伸樹委員)といった意見があった。

 

 ロボット、ICTの一層の活用を求める発言も多く、「ICT化を制度全体に広げてほしい」(日本経済団体連合会の井上隆委員)、「サービスの向上のみならず効率的なサービス提供につなげる視点も含めて検討すべき」(健康保険組合連合会の河本滋史委員)などの指摘があった。

 

 また、「自立度が改善したら事業者にインセンティブをつけることを考えるべき」(全国老人保健施設協会の東憲太郎委員)など、アウトカム評価の積極的な導入を求める意見も多数あった。

 

 介護報酬改定は原則3年に1度行われ、18年度改定はプラス0・54%だった。

    • このエントリーをはてなブックマークに追加