介護施設に「危険手当」 厚労省がコロナ対策で新事業を通知

2020年0525 福祉新聞編集部
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 厚生労働省は15日、新型コロナウイルスの感染者が発生した特別養護老人ホームなどの職員に対して手当を助成する事業を創設すると明らかにした。「危険手当」に相当するもので、全国社会福祉協議会政策委員会などが要望していた。このほか、施設の消毒やマスクを購入する際の費用も盛り込まれている。

 

 厚労省によると、15日時点で全国の介護施設・事業所で新型コロナに感染した入所者や職員は少なくとも446人おり、うち39人が死亡している。同事業は2020年度第1次補正予算で対応する方針で、総事業費は103億円。国が3分の2、都道府県などが3分の1を負担する。

 

 同日に厚労省が都道府県知事などに対して出した「サービス継続支援事業実施要綱」によると、対象は1月15日以降に利用者や職員に感染者が発生したすべての施設・事業所。濃厚接触者への対応も含まれる。また、休業要請を受けたデイサービスやショートステイのほか、感染者が出た別の施設に職員を派遣した場合でも対象となる。デイサービスは感染などに関係なく縮小して訪問支援すれば認められる。

 

 経費となるのは、感染した利用者をケアする職員に対する手当や、残業による割増賃金など。家族との接触を避けるため、職員がホテルに宿泊した際の費用も助成する。

 

 また、感染防止に向けた取り組みも幅広く支援する。施設の消毒や清掃費用のほか、マスクや手袋、体温計などの衛生用品の購入費用も対象とした。

 

 デイサービスについては、通所しない利用者宅を訪問して安否確認するための車や自転車の購入費も補助する。利用者が使うタブレットのリース費用も含まれる。

 

 基準単価は、特別養護老人ホームが定員1人当たり3万8000円。同様に、養護老人ホーム(定員30人以上)が3万7000円、地域密着型が4万円となる。ショートステイは2万7000円。

 

 一方、デイサービス(通常規模)は1事業所当たり53万7000円。訪問介護は同様に32万円とした。

 

 ただ助成額は実際にかかった経費総額と、基準単価による総額を比較し、低い方になるという。申請は1施設当たり1回まで。

 

サービス継続支援事業基準単価

 

 コロナウイルスの感染拡大に伴う施設職員への危険手当については、全社協政策委員会や全国社会福祉法人経営者協議会、全国老人福祉施設協議会、日本介護福祉士会などが現場への負担が大きいとして要望していた。

 

 今回感染者や濃厚接触者を対応する施設や事業所だけが対象になるとはいえ、一歩前進と言えそうだ。

 

 なお、介護施設以外への助成は5月末までに同様の方針が示される予定だという。

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