横浜市鶴見区に児童家庭支援センターが誕生 運営法人代表は元社協職員

2020年0626 福祉新聞編集部
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サードプレイスの須田代表

 横浜市鶴見区に今年4月、児童家庭支援センター「つるみらい」が誕生した。運営するのはNPO法人「サードプレイス」(須田洋平代表)。新型コロナウイルスの影響でオープンと同時に電話相談だけ受け付けていたが、6月から本格的にスタートした。

 

 児家センは子育てなどで悩む家庭の支援を行う相談機関。区を補完する機能を持ち、社会福祉法人が受託するケースが多い。

 

 横浜市は市内全区での設置を目指しており鶴見区には今年初めて誕生。社会福祉士の資格を持つ須田代表を中心に臨床心理士や保育士など6人のスタッフが相談支援をする。

 

 また、同法人は児家センとは別に、同じ建物内で独自にコミュニティーカフェを運営する。飲み物のほか、自家製のめんつゆを使用したカレースープや、塩麹豚と人参のサラダなどがセットになったオニギリセットなどを月替わりメニューで提供。幅広い世代の人を受け入れる「まちのリビング」を目指す。

 

 須田代表は「カフェスタッフが接客の中で、子育て中の親から話を聞き、必要に応じて児家センを紹介する。そんな流れができれば、もっと相談へのハードルが下げられる」と期待する。

 

 もともと須田代表は新卒で横浜市社会福祉協議会に就職。鶴見区の地域福祉に携わったが、異動で関係が途切れることに違和感を感じ、8年前に同区内で子どもの居場所づくりを行うNPO法人に転職した。

 

 そこでは、風呂やトイレなどの基本的な生活習慣が身についていないなど、さまざまな困難を抱える子どもと出会い、衝撃を受けた。それでも子どもの話を聞くなど寄り添い続けた結果、問題とされた行動がピタリと止まったケースがあったという。「いかに子どもにとって受け止めてもらえる居場所が大事かを実感した」という。

 

 そうした経験を経て、須田代表は2017年に鶴見区内で活動するメンバーと共にNPO法人を立ち上げた。団体名のサードプレイスは、自宅や学校・職場ではない第3の場所をつくりたいという思いからだ。福祉医療機構の助成を受けて鶴見区内の公共施設で遊びや学習など居場所づくりも行う。

 

 今後、法人としては子ども支援を軸として、子どもたちが住み良い街づくりも視野に、広く活動を続けたい考えだ。

 

 鶴見区には外国人も多く、国をまたいだコミュニティーづくりにはハードルも多い。同じ建物に入居する、外国人を支援するNPO法人「ABCジャパン」とも連携し、一緒に活動してくれる仲間を開拓したいという。

 

 須田代表は「今だからこそコミュニティーをつなぎ直す活動を地道にやっていきたい」と話している。

ことば:児童家庭支援センター

 1997年の児童福祉法改正で制度化された児童家庭福祉に関する地域の相談機関。児童相談所を補完する役割を持ち、ソーシャルワークなど専門技術や知識を持って、児童虐待の発生予防や親子関係の再構築支援など専門的ケアを行う。実施主体は都道府県や児童相談所を持つ市などで、2020年4月1日時点で全国に134カ所ある。

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