就労継続A,B型 収入半減で工賃を下支え 厚労省、最大50万円支給

2020年0713 福祉新聞編集部
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パウンドケーキを焼いて販売する就労継続支援B型事業所「森の庭」(横浜市)。4月の生産活動収入は昨年に比べて58%減り、支援金を申請する予定だ

 厚生労働省は6月30日、新型コロナウイルスの影響で生産活動収入が減った障害者就労継続支援A型、B型事業所に最大50万円を支給する支援策の実施要綱を都道府県知事らに通知した。今年1月以降、前年同月比で50%以上減った月が一つでもある事業所が対象となる。救護施設職員への慰労金についても都道府県との協議に乗り出した。新型コロナを踏まえた福祉施設への経済支援が具体的に動き始めた。 

 

 生産活動収入が半減に至らなくても、連続する3カ月の収入が前年同期比で30%以上減少した期間のあるA型、B型事業所は対象となる。

 

 事業所の固定費などを肩代わりし、事業所が浮いたお金で障害者の賃金・工賃の減額を食い止めることが狙い。 間接的ではあるものの、公費で賃金・工賃を支えるのは異例だ。

 

 事業名は「就労系障害福祉サービス等の機能強化事業」で、生産活動の再起に必要な費用を支給する。6月12日に成立した政府の2次補正予算に16億円を計上した。実施要綱は今年4月1日にさかのぼって適用する。

 

 障害者がパンなどを製造・販売して得た売り上げを「生産活動収入」と呼ぶ。その減少幅がどの程度の事業所を支給対象とするかが未定だった。1法人が複数の事業所を持つ場合の支給額の上限は200万円とする。

 

 支給対象となる費用は、事業所の家賃など固定費のほか設備整備のメンテナンス費用、販路拡大に要する費用、新たな生産活動に転換するための費用など幅広く想定する。

 

 A型、B型の利用者の賃金・工賃は、原則として生産活動収入から支払うことになっている。新型コロナの影響で食品などの製造や販売が振るわず、生産活動収入が激減した事業所からは支援を求める声が上がっていた。

 

 この予算を要望した団体の一つ、日本知的障害者福祉協会の志賀正幸さん(就労支援部会副部会長)は「評価できる予算だが、2カ月分の工賃を支えるには100万円は必要だ。豪雨災害も頻発する昨今、中長期を見据えて広域で使える予算もほしいところだ」とみる。

 

救護施設にも慰労金 7000人に5万円

 

 高齢者介護、障害福祉分野で働く職員に5万円を支給する慰労金について、厚労省はすでに実施要綱を示しているが、救護施設については7月3日、都道府県に事務連絡を出し、協議を始めた。

 

 全国約200施設の7000人弱が支給対象となる。感染者や濃厚接触者のいる施設の職員は1人20万円が支給される。

 

 政府の第2次補正予算に、保護施設の衛生管理体制確保策などと合わせて5億円を計上した。

 

 救護施設についての実施要綱の発出はまだ先になるというが、慰労金は高齢者介護、障害福祉分野と同様の基準で支給する方針。できるだけ早く支給できるよう事務連絡した。各職員に実際に支給されるのは9月以降になる見通しだ。

 

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