障害者、外国人、触法者が働く青梅の特養ホーム 共生の職場づくりとは

2022年0202 福祉新聞編集部
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 東京都青梅市の特別養護老人ホーム今井苑(社会福祉法人青芳会)は障害者、外国人、育児中の職員、高齢者、触法者の受け入れを推進している。それらの累計採用数は70人を超え、人材確保にもつながっている。法人が目指すのは多様な背景や特性があることを職員が理解し合い、助け合って働ける「共生の職場」だ。

 

 1988年に設立された今井苑は定員80人(多床室)で、職員は非常勤、パートを含めて約80人いる。

 

 障害者雇用を始めたのは2004年。職員の障害のある成人の子女を受け入れたのがきっかけ。現在4人の障害者が掃除、洗濯、事務作業などを行う。その人の特性や能力を見極め、仕事を分担する。

 

 外国人は現在インドネシアからEPA(経済連携協定)介護福祉士候補生4人、技能実習生2人、ベトナムの留学生1人を受け入れている。EPAの受け入れでは入職後3カ月は現場で困らないよう日本語を教える。勤務態度は良く、利用者からも好評。半年過ぎれば夜勤ができ、リーダー職を務める人もいる。法人では今後も年6人の受け入れを計画している。

 

 また、育児中の人が働きやすいよう時短勤務や希望シフト制を導入して積極的に採用を進め、現在10人が働く。高齢者雇用は宿直で5人、送迎運転手で3人いる。

 

 さらに14年から触法者の就労支援もしている。ここ5年で10~50代の約40人を雇用し、現在3人が働く(法人全体で15人)。大半は保護司でもある星野芳博理事長が身元引受人になっている。初任給をもらうと行方不明になる人も少なくないが、介護福祉士を目指す人や、歌が上手で利用者に慕われている人もいる。田村淳子・法人本部長は「仕事ぶりは人それぞれだが、いてくれて助かっている」と話す。

離職率18%減

 昨今は求人を出しても応募者が集まらない中、こうした多様な受け入れは人材確保につながっており、働きやすい職場づくりも進んだことで、離職率は15年度の25%から今年度は7%程度まで下がった。

 

 ただ課題もある。希望勤務時間が一定の時間帯に集中して人員配置がアンバランスなこと。柔軟な働き方を認めているが、その意味をはき違えてしまっている面も見られ、改めて職員がルールを共有し守ることを徹底する。

 

 また、多様な受け入れの取り組みを職員に理解してもらうことも課題だ。教育指導担当の馬場由美子・生活相談員は「法人の姿勢や方向性を示していくことが大事。多様な受け入れで法人がぐらつかないよう、しっかりした受け入れの土台もないといけない」と言う。

 

 馬場さんも子どもが小さい時は時短勤務などを受け入れてもらった経験がある。法人ではすべての職員がお互いさまの気持ちで協力し合い、定年まで共生して働ける職場を目指している。それが達成できれば唯一無二の法人の強みとなる。

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