移住と県外保育士確保へ 徳島市が保育のワーキングホリデー

2022年0203 福祉新聞編集部
光花保育園で園児と触れ合う参加者=徳島市提供

 徳島市は本年度、保育人材に特化した「徳島市ふるさとワーキングホリデー」を始めた。市内に滞在しながら保育施設で働いてもらい、市は交通費や宿泊費の一部を助成する。新型コロナの影響で1月24日現在1人の利用にとどまっているが、参加者と受け入れた保育所双方の満足度が高く、制度への問い合わせも多いことから、市の担当者は「来年度も継続できれば」と話している。

 

 市への移住と県外保育士の確保の〝一石二鳥〟を狙う新規事業。保育士資格か幼稚園教諭免許を持つ県外の移住希望者らを対象に昨夏から募集を始めた。

 

 市内の認可保育所や認定こども園計10園以上が就労体験の受け入れに協力。面談や見学会を経てマッチングがうまくいけば、市内に2週間ほど滞在しながら働いてもらう流れだ。市はPCR検査キットを用意するほか、宿泊や移動にかかる費用の2分の1を助成する。

 

 この制度を利用した東京都出身の20代女性は昨年12月中旬に来県し、市内2カ所の保育施設で就労体験した。光花保育園(社会福祉法人金光福祉会)では園児と遊んだり、餅つきをしたりして過ごしたという。「本人も楽しそうで、県外の人と触れ合う機会が少ない我々も良い刺激になった」と住友雅美園長。「(保育士確保の)一つの方策として、こうした取り組みもアリだと思う」と話した。

 

 現在、移住には至っていないが、同市の担当者は「将来を見据え、関係性を維持していきたい」としている。

 

 同市は今月上旬まで参加者を募集している。問い合わせは同市ふるさとワーキングホリデー事務局(電話088・621・5083)へ。

 

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