「機器格差」なくそう 法人トップの考え次第

2014年0127 福祉新聞編集部
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障害者施設ではオーダーメードの車いすを作ることができる

 施設のケアを変える福祉機器。導入・活用には多額の整備費が必要なため二の足を踏む施設は多い。導入・活用を進めるにはどうすれば良いのか、高齢者施設と障害者施設、施設と在宅の間にある「機器格差」を埋めるにはどうすればよいのか、財政面から考える。

 

  「費用対効果を考えれば、決して高い買い物ではない」。リフトを導入・活用する施設長は口をそろえる。利用者に安全・安楽なケアを実現し、職員の腰痛をなくし、人材確保対策など施設経営にも役立っているからだ。

 

 導入に際しては、年間予算の中からパーセントを決め計画的に整備している施設、集中的に経費を投じ整備する施設など様々だ。

 

 31台のリフトを整備し、利用者全員が調整機能付き車いすを使う鳥取県の特別養護老人ホーム「ゆうらく」は2003年から10年間、毎年総収入の約1%(500万円程度)を機器整備に充ててきた。福祉用具プランナーの資格を9人に取得させるなど人材育成にも努めてきた。

 

 05年度に6台のリフトを導入した東京都の特養ホーム「日の出ホーム」は今年度、約2000万円を掛けてリフト整備を進めており、これに合わせ調整機能付き車いすも15台購入した。この間、リフトリーダーの資格を14人に取得させた。

 

 リフトを積極的に活用している施設に共通するのは厚生労働省の助成金を活用していること、調整機能付き車いすや3モーター式ベッドなど移乗関連機器にも費用を掛けていること、機器を使う人材育成にも投資をしていること、まず試験的に数台導入しノウハウを積み上げた後に本格導入していることだ。

 

 「総収入の1%を機器に使うルールを固定化したい」というゆうらく。「5年割賦で2000万円を返済していく」という日の出ホーム。両施設を運営する法人の規模は決して大きくないが、機器に掛ける費用は多い。それができるのは機器の導入・活用を法人・施設の最重要事項に位置付け、理事長と施設長が揺るぎない方針を持ち進めているからだ。

 

 

➡次ページ 高齢者と障害者、施設と在宅の間で生じる格差

 

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