若年性ポリープ――子どもの1~3%に

2022年0311 福祉新聞編集部
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 「血便」「うんちに血が混じる」という訴えで私の専門外来に紹介されてくる子のほとんどは裂肛、いわゆる〝切れ痔〟です。話を聞くと、多くの場合、硬い便を息んで排せつしています。つまり、便秘によって硬い便を排せつするときに肛門が裂けてしまうのです。

 

 便器やおむつが真っ赤になるほどの出血でも痛がらない子もいるため、それを見た親御さんが驚いて受診することも多いです。そのような場合には、まずは便を軟らかくして息まずに排便できるような便性にして血便が消えるかどうか様子を見ます。

 

 そして、血便が消えれば、「切れ痔からの出血」として、便秘の治療を続けます。便を軟らかくしても改善しない場合には、裂肛以外の原因を考えますが、その原因の一つが若年性ポリープです。

 

 若年性ポリープは、大腸に発生する良性腫瘍であり、小児期の大腸腫瘍ではもっとも多く、21歳未満の1~3%に見られます。1歳未満の発生はまれで、2~10歳でもっともよく見られ、15歳以降に発生することは珍しいです。通常は悪性化することはありませんが、三つ以上のポリープを認める場合は、発がんの危険性が高くなると言われています。

 

 しかし、約90%は単発(1個のみ)であり、85%は直腸からS状結腸に発生します。腹部超音波検査では腸の中に茎のついた腫瘤が見られ、腫瘤の内部には液体がたまった小さな袋状のものがたくさん見えるのが特徴です。

 

 一度、診断すると特徴的なので1センチ以上あるようなポリープでは比較的簡単に見つけられますが、経験のない医師や検査技師は便と間違えて診断できないことも少なくありません。最終的には内視鏡で診断することになり、表面に赤い斑点がある腫瘤で、スーパーマリオブラザーズのキノコのような見た目ですので、子供たちには「おなかにキノコがある」という説明をすることもあります。

 

 下痢や腹痛を伴わない血便がもっとも多い症状ですが、便に血液が付着する程度の出血が一般的です。成人に発生する大腸良性ポリープと比べて大きく、太い血管が茎を通ってポリープに入って行くため、ポリープがちぎれると大出血を起こすことがあります。また、ポリープが便と一緒に肛門側に引っ張られ、腸が腸の中に潜り込んでしまう腸重積を起こすこともあります。したがって、若年性ポリープは見つけたら切除して治療をするのが原則です。

 

 通常、ポリープは1個のみですので、切除した後の内視鏡検査は必要ありませんが、私の病院では、大腸のひだの陰に隠れているポリープを見逃している可能性も考えて、切除後6~12カ月後を目途にもう一度、内視鏡検査を行っています。

 

 硬くもないし、下痢でもない便に血が混じるときは若年性ポリープの可能性がありますので、かかりつけ医に相談してみてください。

 

(そごう・つよし 済生会横浜市東部病院小児肝臓消化器科副部長)

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