「地域における公益的な取り組み」実施は全社会福祉法人の64%にとどまる

2022年0411 福祉新聞編集部

 厚生労働省は3月28日、社会福祉法人の2021年度社会福祉充実計画の状況を公表した。16年の制度改正で社会福祉法人の責務となった「地域における公益的な取り組み」を実施しているのは全社会福祉法人(2万1024)の64%(1万3416)にとどまった。

 

 全国社会福祉法人経営者協議会は「社会福祉法人の非課税の根拠となる公益性、非営利性を社会に明示する重要な取り組みである。経営協会員法人の実施率は95%だが、非会員法人を含めて100%実施を達成しなければならない」とし、取り組みを促している。

 

 結果では、社会福祉法人の社会福祉充実財産の総額は4126億円で前年度から6億円減った。社会福祉充実計画を策定しているのは85法人増えて1918法人。全社会福祉法人の9・1%だった。

 

 充実計画の内容は「既存施設の改築・設備整備」が43%で最多。次いで「新規事業の実施」「職員給与、一時金の増額」「新たな人材の雇い入れ」だった。

 

 一方、20年度決算で充実残額のあった1833法人のうち、120法人は充実計画を策定中または未策定だった。また、コロナの影響で充実計画の事業の延期などにより計画上の事業費になっていない充実残額が増える傾向がみられるとし、厚労省は同日付で自治体に対し、指導を適切に行うよう事務連絡を出した。

 

 なお、1日から充実財産の算定に用いる指標が見直された。1平方メートル当たり建設等単価は25万円から29万円▽一般的な自己資金比率は22%から24%▽大規模修繕費用割合は30%から23%――にそれぞれ変更された。

 

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