全社協が生活保護改革を要望 「セーフティーネット再構築を」

2022年0427 福祉新聞編集部
左から丸川、衛藤、尾辻の各議員

自民党の社会福祉推進議員連盟(会長=衛藤晟一・参院議員)は4月19日、総会を開催した。福祉関係14団体が出席、来年度予算に向けた要望活動を行った。

 

全国社会福祉協議会政策委員会は、新型コロナウイルス感染症によって顕在化した多様な課題を踏まえ、社会福祉制度の拡充を要望した。生活保護や生活困窮者自立支援制度の抜本的な改革を求めるとともに、新たな困窮者への手当制度の創設を求めた。

 

また、生活福祉資金については、今後10年以上にわたる債権管理に向け、社協の体制強化が必要だとしている。

 

3月末時点で生活福祉資金のコロナ特例は、300万を超える世帯に対して、約1兆4000億円の貸付を実施した。しかし返済に向けた課題も多く、窓口を担う市区町村社協からは「当初は迅速に資金提供する意味は大きかったが、このままでいいのか」という声が上がっていた。

 

会合で平田直之・政策委員長は「我が国のセーフティーネットを再構築していただきたい」と強調。

 

すべての福祉従事者の処遇改善と、分野によって仕組みが異なる処遇改善加算の運用の一元化も要望。平時から災害に対応する「災害福祉支援センター」の全国展開も盛り込まれている。

 

一方、全国老人福祉施設協議会(平石朗会長)は、ICT(情報通信技術)機器の導入に向けた補助の充実を要請した。また異なるメーカーを複数導入すると情報連携ができないケースもあるとして、共通プラットフォームの開発も求めた。

 

さらに、LIFE(科学的介護情報システム)の運用改善を要望。介護人材確保へのPRや、災害に向けた特別養護老人ホームの機能強化も求めた。

 

日本知的障害者福祉協会(井上博会長)は強度行動障害や医療的ケアなど個々のニーズに対応できる暮らしの場を整備するため、入所施設やグループホームの人員、運営基準の見直しを要望した。

 

また人材確保に向け、勤務年数や保有資格に応じた給与が担保できる制度設計を要請した。複数ある処遇改善の加算を簡素化した上で、法人裁量の拡大も求めている。

 

要望を受け、衛藤会長は「全力を挙げて頑張りたい。今後も日本の社会福祉に理解と協力をいただければ」と語った。

 

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