認知症早期発見へ 医療・福祉従事者の劇団がユーモラスな劇で

2022年1005 福祉新聞編集部
里美ばあちゃん(左から2人目)が認知症をユーモラスに演じる

 九州の最南端。鹿児島県の大隅半島に認知症早期発見の大切さや支援のあり方を伝える劇団がある。

 

 「早よ見っけっせ~。早え治療がいっばん(一番)じゃっど!」

 

 メンバー全員が福祉や医療現場に関わる異色の劇団は鹿児島弁を駆使したユーモラスな演技で、認知症を身近なものとして考えてもらいたいと活動を続けている。

 

 劇団の名前は「南の星座」。2015年7月に肝属郡医師会立病院を主体にした認知症初期集中支援チームが母体となって誕生した。座長は医師会立病院もの忘れ外来の今隈満医師が務めた。発足当時のメンバーは今隈医師のほか、保健師、心理士、社会福祉士に包括支援センターのケアマネージャーら7人。その後に肝属郡内の南大隅町、錦江町の役場や、社会福祉協議会の職員らも加わった。

 

 認知症を分かりやすく伝えるために、たどり着いたのが演じることだった。脚本やセリフ、小道具もすべて手作り。ストーリーには劇が開かれる地域の特産品や地名を取り入れる。まずは身近に感じて物語に入り込んでもらう狙いがある。

 

 劇はもの忘れの激しい「里美ばあちゃん」を中心に展開される。ばあちゃん役は南大隅町地域包括支援センターの畦地里美さんが演じている。「講義と劇を織り交ぜたり、劇だけのときもある。いつもナレーションを入れて、アルツハイマーやレビー小体型など、それぞれの特徴を説明しながら、認知症は一通りではないことを理解してもらう工夫もしている」と畦地さん。

 

 これまで小中学校や各地でのイベントなど大小20回以上開かれた。今年2月には県立南大隅高で認知症サポーター養成講座として、リモートによる講義と劇を演じた。

 

 畦地さんは「認知症は特別なことでも怖いことでもない。地域の支えでなんとかなる。気軽に相談してほしい」とも話している。

 

 

福祉新聞の購読はこちら