強度行動障害の検討会が発足 施設での集中支援を議論〈厚労省〉

2022年1011 福祉新聞編集部
人材育成に関する意見が多数上がった。中央が市川座長

 自閉症を伴う知的障害者らの一部に見られる自傷行為などの「強度行動障害」をめぐり、厚生労働省は10月4日、障害者の住まいや生活支援にあたる人材育成のあり方に関する検討会を立ち上げた。自宅で状態が悪化した人を一時的に施設で受け入れてアセスメントし、環境を調整して元の住まいや新たな住まいに移す「集中的支援」の在り方を議論する。

 

 同日発足した「強度行動障害を有する者の地域支援体制に関する検討会」(座長=市川宏伸・日本発達障害ネットワーク理事長)が2023年3月をめどに報告書をまとめる。

 

 強度行動障害は1980年代後半に生まれた言葉で、障害の種類ではなく状態像を指す。行動障害に関連した障害福祉サービスを利用する人は直近で延べ約6万9000人(児童を含む)。

 

 厚労省がこのテーマで検討会を開くのは初めて。80年代から児童精神科医として自閉症の人と関わってきた市川座長は「こうした検討会が開かれること自体、隔世の感がある」と語った。

 

 「集中的支援」は、日本知的障害者福祉協会(井上博会長)が研究事業の成果として今年6月に提案。最長で2年間受け入れる「行動障害生活支援センター(仮称)」を各都道府県に1カ所設けるよう求めていた。

 

 今回の検討会では、この提案を全国展開できるよう具体策を詰める。委員は医師や障害者支援施設の経営者、自治体職員ら10人。

 

 同日の会合では「人材育成が課題だが、その仕組み作りは自治体単位では難しい」「施設から地域に移る際の受け皿が不足している。点ではなく面で支えられるよう人材を育てないといけない」といった意見が上がった。

 

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