複合福祉施設で防災イベント こども特化で地震想定(兵庫)

2022年1201 福祉新聞編集部
消防車などを作るこどもたち=中筋児童館提供

 兵庫県宝塚市の複合型福祉施設(中筋児童館、特別養護老人ホーム宝塚あいわ苑、なかよし保育園)で11月20日、こどもに特化した防災イベントが初めて開かれた。コンサート中の地震発生を想定した避難訓練などが行われ、参加した地域の親子連れら168人は楽しみながら防災を学んだ。

 

 施設を運営する社会福祉法人愛和会の主催で、日ごろから取り組む地域貢献「あいわの集い」の一環で実施。損害保険ジャパンからの助成を受け、同市や市社会福祉協議会とも協力して実現させた。

 

 施設がある中筋地域は阪神淡路大震災で甚大な被害を被ったが、時間の経過とともに記憶が薄れつつある。また、児童館を利用する保護者の中には精神障害などにより、指定された避難場所への移動が難しい人もいる。「災害時に児童館という選択肢があることを思い出してほしい。少しだけ昔のことを振り返り、防災を考えるきっかけになれば」と、中筋児童館の川端いづみ館長が発案した。

 

 イベントでは、吹奏楽団の演奏の途中に震度5の地震が発生したという想定で実施した「避難訓練コンサート」や消防車の工作、防災グッズの展示、防災食体験などが行われた。

 

 川端館長は「『もしも』のことを少しでも考えてもらうきっかけになったと思う。コロナの状況はよくないが、また開催できたら」と話している。

 

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