新資格「こども家庭ソーシャルワーカー」に決定 厚労省WGが報告書

2023年0316 福祉新聞編集部

厚生労働省は3月6日、「子ども家庭福祉の認定資格の取得に係る研修等に関する検討会」(座長=山縣文治・関西大教授)を開き、新たなこども分野に関する報告書をまとめた。名称はこども家庭ソーシャルワーカー。100時間を超える研修を受け、試験に合格すると取得できる。報告書を受けて厚労省は、試験を担う認定機構の要件作りに着手する。

 

こども家庭ソーシャルワーカーは、実務経験者を対象にした新たな認定資格。取得には(1)相談援助の実務経験が2年以上ある社会福祉士や精神保健福祉士を対象にした「有資格者ルート」(2)4年以上こども分野で相談援助をした「実務経験者ルート」(3)保育所の主任保育士などで相談援助経験が4年以上ある「保育士ルート」――がある。いずれも指定研修(100・5時間)を受け、試験に合格しなければならない。

 

有資格者ルートの実務経験の範囲について報告書は、児童養護施設や乳児院、母子生活支援施設、障害児入所施設、児童相談所、こども家庭総合支援拠点など複数を示した。

 

また、社会福祉協議会や、特別養護老人ホーム、障害者支援施設、救護施設などでも、一度でもこどもに関わる支援経験があれば認める方針。ただし、指定研修とは別に追加研修(24時間)を課す。

 

一方、経過措置として設けられる実務経験者ルートでは、指定研修に加えて、ソーシャルワーク研修(97・5時間)を受講する必要がある。同様に保育士ルートの場合も、ソーシャルワーク研修(165時間)を受講しなければならない。

 

報告書では3ルートそれぞれの研修で学ぶ内容や、専門性についても記載している。

 

試験の実施や資格の登録は、今後国が今夏に指定する民間の認定機関が行う。実際の研修は認定機関が定める福祉系大学が担う予定だ。

 

早ければ24年度中に新資格保持者が誕生する。

希望者は未知数

どれくらい新資格の取得を希望するかは未知数だ。厚労省子ども家庭局虐待防止対策推進室は新資格を取得できる対象者数について「詳細は今後詰めることもあり、正確に把握しているわけではない」とする。

 

また、取得に向けたインセンティブについても報告書は「現任者が資格を取得する間の代替職員配置の支援について、財政支援も含めて検討すべき」と記載するにとどまった。

 

同日の検討会でも「どれだけ受験者がいるかが心配だ。はるかに少なかったら大問題になる」(橋本達昌・全国児童家庭支援センター協議会長)、「取得した人の待遇やポジションのインセンティブを検討してほしい」(藤林武史・西日本こども研修センターあかしセンター長)といった声が出た。

 

資格取得に関する費用について報告書では触れなかった。厚労省は福祉系大学など研修実施機関に費用を設定してもらう方針を示しており、数十万円に上る可能性もある。

 

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