認知症施策、任意で開始
介護保険 地域支援事業に特例

2014年0303 福祉新聞編集部
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 厚生労働省は2月25日、介護保険法改正案に関連し、2015年度からの地域支援事業について都道府県などの担当課長を集めた会議で説明した。新しい認知症施策は改正法の施行を待たず、14年度から任意事業に位置付ける。地域支援事業の上限費用を超える場合は特例的に引き上げる。15年度から全市町村必須(経過措置あり)の包括的支援事業にする。

 

 今通常国会に提出された介護保険法改正案の最大の目玉は、市町村が実施主体の地域支援事業を拡充することだ。保険事故の発生した個人への給付ではなく、「地域づくり」に力を入れる。医療と歩調を合わせ提供体制改革を段階的に進める。

 

 地域支援事業の財源には介護保険料が入っているため、「保険料の目的外使用を拡大するのか」といった批判が改めて浮上する可能性はある。

 

 14年度から任意事業にするのは、新しい認知症施策だ。一部の地域ではすでにモデル事業が展開されている。

 

 複数の専門職が認知症の疑われる人とその家族を訪問して受診などをサポートする「認知症初期集中支援」は、14年度は100カ所での実施を見込む。

 

 また、①そうした家庭の相談役となる認知症地域支援推進員の配置②介護施設における認知症対応力向上などで構成する「認知症ケア向上推進事業」――は、それぞれ470カ所で実施予定だ。

 

 この三つに加え、見守りなどの生活支援サービスを充実させるためコーディネーターを配置する「生活支援サービスの基盤整備」も14年度から任意事業に位置付ける。

 

 15年度からの包括的支援事業には「在宅医療・介護の連携」(医療・福祉資源の把握、会議の開催、研修の実施など)も加わる。

 

 事業を担う市町村の責任と負担が重くなるのは必至。原勝則・老健局長は会議の冒頭で、「我々はこれから法改正し通知を出して終わりではなく、市町村に伴走型の支援をしていく」と話した。

 

ことば:地域支援事業

 ①要支援・要介護に至る前の高齢者の介護予防事業②地域包括支援センターに委託できる包括的支援事業③配食・見守りなどの任意事業−で構成。市町村が介護給付費の3%を上限に実施する。①と②は義務。40〜64歳の2号保険料は①にのみ入る。2005年成立の改正介護保険法によって位置付けられた。11年度の総事業費は1570億円。15年度からは予防給付の一部(訪問介護、通所介護)が移行してくることもあり、総事業費は大幅に上がる見込みだ。

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